子どもに多い歯並びトラブル

子どもに多い歯並びトラブル

②上顎前突(出っ歯)

「叢生についで日本人に多いと言われているのが、いわゆる“出っ歯”と言われる上顎前突です。下のアゴの成長が十分でなかったり、上の歯が前に傾斜しているケースが多いとされ、また指しゃぶりや口呼吸なども原因とされています。上の歯が出てしまっていると、唇もつむれないのでカッコ悪いだけでなく、前歯でモノを噛めなかったり、口の中が乾燥しやすいために唾液の抗菌作用がうまく働かずに虫歯になりやすかったり、かぜをひきやすくなったりというトラブルにもつながるんですね。治療開始の時期としては、原因が指しゃぶりなどクセによるものの場合やアゴが左右にズレているなどの骨格的な変形などの場合は、3歳以降から改善をはじめます。そういった原因がない場合は、前歯が生えそろう8歳くらいをおすすめします」

出っ歯のイラスト

反対咬合(受け口) 

「本来、上の歯がかぶさるべきなのに、逆に咬んでしまう受け口は、人口的にはすごく少ないのですが、見た目のインパクトが強いために、皆さんが一番気にする問題です。また、3歳くらいになってくると、赤ちゃんのころのパクパク噛みと違って食べ物をすりつぶすようになるため、噛み合わせが逆になっているとうまくアゴが動かせないため食べる効率が悪くなったり、話し方にクセが出てしまったり、いろいろと問題が起きてきます。実は、歯並びの問題の中でも一番治療が難しいとされていて、長期間の治療を要するのも特徴です。遺伝性の要因も強かったりするので、3歳以降のできるだけ早い時期からの治療が有効とされています」

受け口のイラスト

お話を伺った人

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坂部潤先生

キッズデンタル代表 歯学博士(小児歯科学)

大学病院での小児歯科専門医療の実践や米国UCLA小児矯正科への留学経験、また3児の父親としての経験を生かし、多くの子どもたちの継続管理型の小児歯科専門医療を行っている。医療法人 スマイルベア 理事、日本大学歯学部兼任講師(小児歯科学)、日本小児歯科学会認定小児歯科専門医、日本歯科矯正学会会員、UCLA小児矯正歯科客員研究員