子が暴力に走る原因と、対処法は?

子が暴力に走る原因と、対処法は?

●我が子の「心のささくれ」を見逃さない

最近は心の問題を抱える子どものためにスクールカウンセラーを常駐させる学校も増えているが、その大半は中学校。小学校では導入されていないケースも多い。そのため、小学生の子どもに対しては、家庭でのケアが何より重要になる。

ポイントは、子どもの感情の変化、「心のささくれ」をつぶさに観察することだ。子どもがイライラしたそぶりを見せたら放置せず、すぐに声をかけてあげる。仮にキレて物や人に当たってしまっても頭ごなしに叱りつけることは避けたい。まずは、「どうしたの?」と問いかけながら問題行動に走った原因をつきとめ、子どもの心のささくれ、イライラした気持ちを受け止めること。その上で、「あなたの気持ちはわかった。でもね…」などと諭す。つまり、「診断」→「受容」→「更生」のアプローチが重要になる。

また、不規則な生活も子どもの攻撃性を高めてしまう。夜更かしや朝寝坊で生活が乱れると、精神の安定をもたらす脳内物質セロトニンがうまく分泌されなくなるからだ。生活習慣を親がしっかり管理してあげることは結果的に子どもの精神安定をもたらし、暴力行為の予防にもつながると心得ておきたい。

(文・前田智行)