セルフコントロールはこうやって身に着く

セルフコントロールはこうやって身に着く

「意志あるところに道は開ける」という格言がありますが、意志の強さは学力の向上や、健康の維持にも大きく関わるもの。本能を上回る理性を発揮する力は、セルフコントロール力と呼ばれ、一流のアスリートや実業家の多くは、この能力に優れているといわれます。 「じつは、セルフコントロール力は後天的に伸ばすことができるんです」と話すのは、大阪大学社会経済研究所の池田新介教授。そこで、我が子にセルフコントロール力を身に着けさせるために、親ができることを4つ教えてもらいました。

●習慣化を意識させる

「たとえば毎日の勉強ひとつとっても『習慣化』を意識させることが重要です。習慣化によって脳内の伝達物質の行き来がスムーズになり、感情的な葛藤なく理性でコントロールできるようになるからです。たとえば、まずは5分でもいいから毎日机に向かうように促すなど、早いうちから行動の習慣化が身に着くようサポートしてあげましょう。なお、習慣は守れば守るほど強固なものになりますが、一度でも破ってしまうと脆くも崩れ去ってしまいますので、辛抱強く意識づけを行うことが重要になります」(池田教授、以下同)

●「遠くの利益」を意識させる

「子どもはどうしても目の前にある楽しいことを優先してしまい、長期的な展望を描くことができません。そのため、まずは親が子どもにとって何が利益になるのかを見定め、正しい方向に導くことが大切です。たとえば、近くの利益と遠くの利益のふたつがあった場合、間近に小さな利益があると、子どもはそこばかりに注意がいってしまう。そうではなくて、遠く離れたところに大きな利益があることを親が教えて、注意喚起をしてあげることは、子どもにとってセルフコントロールの必要性を認識することにつながります」