●ご褒美は安易に与えない
「たとえば、ちょっとしたお小遣いや、お菓子といったご褒美は生産的じゃないんですね。セルフコントロールを働かせるうえでご褒美は大事なのですが、一番のご褒美は達成感なんです。そのため、ちょっとしたご褒美をあげてしまうとかえって努力をしなくなり、最終的には『それくらいのご褒美ならやらない』となってしまいます。なぜなら、セルフコントロールするパワーを使って得られる利益よりも、使わないで得られる利益の方が大きいと判断するからです」
●セルフコントロールによってもたらされる利益を経験させる
「最初からセルフコントロールの大切さを教えるのは無理なので、経験を積ませることが大事です。たとえば、スポーツや勉強、または世界文学全集を読ませるなど、セルフコントロールによって何かをなしえ、それにより利益を得る実感を覚えさせましょう。いわば練習試合みたいなものです。そのなかで、本人もセルフコントロールで得られるものが、どれくらいのものかというのを自覚してくると思います」

セルフコントロール力の習得は、長期的な視点で取り組ませることが大事。子どもの将来を左右しかねない能力だけに、今日からでも実践していきたいところですね。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)
