夜泣きにまつわる気になる噂のあれこれについて寄せられたママたちの声に、夜泣きのメカニズムに詳しい小児専門医・小山博史医師に回答してもらった。
●男の子のほうが、夜泣きがひどい?
まずは、「夜泣きをする・しないに性別の差はあるのでしょうか? 娘は夜泣きがひどかったのに、息子はほぼ夜泣きしません」という意見。一方で、「息子の夜泣きはひどかったが、娘はまったく手がかからなかった」という真逆の声も届いた。果たして真偽は?
「子どもは両親の遺伝子が少しずつ混ざって遺伝するため、きょうだいでもまったく同じ遺伝子になることはありません。よってきょうだいでも個性が違うように、夜泣きも個人差があります。性別の差も無関係と考えるほうが自然でしょう」(小山医師 以下同)

●夜泣きはやっぱりママじゃなきゃダメ?
「普段は夫でもあやせますが、夜泣きに関しては母親の私でないと泣き止みません。やっぱり赤ちゃんとママとの絆は特別だから?」という意見はどうだろう。
「添い乳が習慣になっていませんか? ママの乳首を強く吸う『吸てつ反射』は、強力な鎮静作用があります。そのため、一度クセになるとなかなかやめられない。パパにも夜泣き対応してもらうためには、ある程度の準備が必要です」
例えば、ミルク派・混合派の場合は、パパがミルクを作って飲ませているあいだに、ママが少し休めるので夜泣きのつらさは分担できるだろう。だが、完全母乳派かつ添い乳がクセになっていると、ママが夜泣きに全対応せざるを得ない状況に…。
「それを避けるには、赤ちゃんがパパに対しても安心感を抱いてもらう必要があります。パパは普段から積極的に赤ちゃんに声をかけ、抱っこしてぬくもりを感じさせてあげてください」
スキンシップを重ねることで、赤ちゃんはパパが安心できる存在だと少しずつ理解していくという。そこがクリアできたら、まずは昼寝にトライ。次に日中、十分疲れさせてから夜泣き対応に挑戦、とステップアップしていこう。
「ただ、授乳中のママの脳内ではオキシトシンというホルモンが分泌されるため、普段より睡眠不足にも強い状態になっています。夜中に頻繁に起こされても、ママのほうがパパよりもタフに対応できるのはそのため。これは母性本能ではなく、ホルモンの力によるものです」
