●他にもいろいろ心配が…老後資金の「現実」
「生活費の他にも、たとえば住宅ローンがあります。ただ、住宅ローンは退職するまでに繰り上げ返済するなどの対策をして、老後に突入するまでに払い終えることが大事です。退職してしまうと収入が大幅に減ってしまうことが多いので、老後資金にも影響が出てきます。
さらに高齢出産だった場合、子どもの教育に掛かる費用がどんどん後倒しになり、自分たちの老後の資金を貯蓄できる期間が短くなっています。高齢になるほど自分たちの体力も弱ってきて、さらに子どもの教育に出費がかさむと貯蓄がなかなか難しくなってしまいます」
さらに、70歳から先の暮らしに掛かるお金についても不安は残るものです。
「いまの時代、70歳はまだまだ体力があるとされますが、そこから先の後期高齢者ということになると、認知症や寝たきりになる可能性もゼロではありません。健康であっても、高齢者施設に入所するとなると、入所時の頭金は夫婦で3,000万円を簡単に超えることもざらです」
こうしたことを踏まえると、いますぐにでも月々いくらでやりくりをしなければいけないか、お金をどうやって使うかという計画を立てないと老後の破綻リスクはいつまでたっても減らないのかもしれません。
老後に必要な貯蓄額を漠然と考えるだけでなく、何にどれくらいお金が必要なのか、細かく考えてみることが老後資金を貯めるうえでの第一歩になるはず。いま一度、現在の生活費から貯金計画まで見直してみてはいかがでしょうか?
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)
