● “早く!”とまくしたてるのは、すべて親の都合。子どもは親の所有物にあらず
「早くしたいのは親の一方的な都合の場合がほとんどです。子どもには、子どもの都合があるのかもしれません。例えば、“早くおもちゃ片付けなさい!”と、言われたとき、まだもう少し遊んでからと思っていたのかも? “早く宿題しなさい!”と言われたとき、子どもはおやつを食べ終わってからやろうと決めていた可能性もありますね。つまり、子どもも自分がしたいことの優先順位がある立派な人間だと理解することが大事だ」と、立石先生は話します。
「もしかすると、親御さんの心のどこかに、“意のままに操れる自分の所有物”というおごりがあるのかもしれません。そこをまず捨てましょう! そうすることで、命令ばかりしている自分を冷静に顧みることができるのです」
もちろん、どうしても時間の制限があって早くしてほしいときもある。そういうときは、具体的に早くしなければならない理由を理解させる工夫が効果的だという。
「“早く! 早く!”という指示命令で行動することは、犬のしつけのような“条件反射”にすぎず、本当に急がなければという自主性にはつながりません。なぜ、そうしなければならないのか? ということをきちんと話して理解させることが行動につながる近道です。その真意が伝わらなければ、毎日毎日同じことの繰り返しで、親御さんはいつまでも叱り続けなければならないのです」
限られた時間のなかで様々なことをこなさなければならないのも、ママの現実。ならば。一方的にまくしたてるのではなく、きちんとコミュニケーションをとって状況を理解させ、やがては子どもの自主性につなげられるようにしたいものですね!
(構成・文/横田裕美子)
