●精神疾患で休職する教師とモンスター教師は表裏一体の存在
確かに、最近教師の過酷な労働環境に関する問題を耳にする機会は増えている。それに加えて児童の親による“モンスターペアレンツ”も先生の大きな負担になっているのは想像に難くない。
「近年は過酷な労働環境により、精神疾患で休職する教師が増えています。そういった教師と、児童に対して陰湿な教師の存在は、コインの裏表の関係といえるのです」
おおたさんの著書内では、小中学校の教員の残業時間の平均は、約95時間30分/月。10年間で約10時間残業が増えているというデータ(※)が掲載されている。こういった過酷な環境やモンスターペアレンツなどによるストレスによって精神疾患で休職する教師は、いわばストレスを心にため込むタイプだろう。
だが、人にはストレスを外に発散させるタイプも存在する。つまり、自分より弱い存在である“児童”に向かうのだ。これが“モンスター教師”が生まれる大きな原因になっているのは否定できない。
そう考えると、モンスター教師もいわば過酷な労働環境における被害者として同情すべき点はあるのかもしれない。しかし、子に当たる精神的影響も計り知れないし、親としても気になるところだ。こうした問題を察知したら、まずは子どもの友達やママ友などにも事実の確認をし、先生と話し合いをする手段を取ろう。
※全日本教職員組合による2013年発表の調査結果による
(高山惠+ノオト)
