PTA参加への強制力は学校による自動加入も一因
PTAが強制加入ではなく、任意加入ということは少しずつ認知されていますが、未だに多くの保護者は誤認している現状があり、新たな問題が起こっています。
「PTAを強制加入だと思っている保護者には義務意識があります。そのため、PTAの非会員の家庭の子どもに対して、記念品を渡さない。PTAが見守りを務める夏休みのプール解放では、非会員の子どもは保護者の同伴が必須になるといった、子どもへの影響が出ています。PTAは会員向けのサービスをする団体ではないので、こういったことは許されるものではなく、学校もプールを提供する必要がなくなります。しかし、PTA会員としては、“会員じゃないのにズルい”といった感情が芽生えてしまうのが現状です」
多くの学校は、子どもが学校に入学すると同時にPTAに自動加入する仕組みを設けており、こういったことが“義務”だと思い込んでしまう保護者の意識を作っている要因のひとつだと大塚さんは指摘します。
「保護者の“義務”意識は、文部省や教育委員会のやり方にも責任の一端があるのですが、行政に指導を求めても反応はよくありません。 そのため、まずは一人ひとりが声を出して“変えていこう”という姿勢を表すことが大切です」
歴史を紐解くと、PTAは“やりたい”人たちが集まり、活動する団体ですが、日本のPTAはそうとは言い難い。強制加入の仕組みをなくしつつ、PTAないしは子どものための活動を訴えかけることで、自発的に父母が集まりストレスのない団体へと変わっていくのではないでしょうか。
(文・奈古善晴/考務店)
