「ワクチンを打ってもインフルエンザになる」―その真相は?

「ワクチンを打ってもインフルエンザになる」―その真相は?

●ワクチンは免疫をつけるのに効果的

ちなみに、「ワクチンを接種しても、流行しているウイルスの型が違うと感染してしまうから、意味がない」という人がいる。逆に「ワクチンを接種すれば、もしインフルエンザにかかっても重症化しない」と言う人もいる。どちらが正しいのか。

「確かにインフルエンザのウイルスは変異しやすく、ワクチンを接種しても、感染してしまうことはあります。しかし、ワクチンを接種したグループと、接種していないグループとを比較した場合、接種したグループのほうが重症化しにくかったという研究結果があることも事実です」

インフルエンザのワクチンは完全な予防策ではないとはいえ、免疫をつけるには一定の効果があるよう。子どもの場合も地域で予防接種費用の助成があることも多いので、費用のことも含めて、家族で考えてみるのも良いかも。
(取材・文:田幸和歌子 編集:ノオト)

お話をお聞きした人

砂川富正

国立感染症研究所 感染症疫学センター第二室長

国民の保健医療の向上を図る予防医学の立場から、広く感染症に関する研究を先導的・独創的かつ総合的に行い、国の保健医療行政の科学的根拠を明らかにし、支援する研究所。