【30代から特に注意しよう】生理前後の不調・トラブルは病気の前兆?

【30代から特に注意しよう】生理前後の不調・トラブルは病気の前兆?

●30歳を過ぎたら子宮頸がん検診を含む婦人科検診はマスト!

ただし、ストレスによる生理不順ではなく、何らかの病気が隠れている不正出血である場合もあるとか。不正出血から発見される病気には、主に以下のようなものがあります。

・子宮頸がん…20~40代の罹患率が最も高い病気。多くの場合、初期段階での自覚症状がなく、他の部所への転移で始めて発見されることも。HPVウイルスによる感染がほとんどを占め、子宮頸がん検査で発見することができる。

・子宮体がん…出血や月経過多から発見に至ることが多い。進行すると子宮全摘出などの必要性がある。

・子宮筋腫…小さいものを含めると成人女性の3~4割が持っているとされる。できる場所や大きさによっては、生理の出血量が増える、出血が続く、または強い痛みがでることも。

これらの病気も、定期的に婦人科検診を受けていれば、まったく症状が無い段階で見つかることも多いそう。そのため、子宮頸がん検診や婦人科検診は、少なくとも2年に1度、理想的には1年に1度は受けたほうがいいそうです。

また、そのときどきの不調や症状に合わせて、何かあったらできるだけ早めに婦人科を受診することが大事だとか。

●生理が減るのは「気血不足」。第二子・第三子を望むなら対処が必要

40歳前後になると、1回の生理の量が減るなどして、「もしかしてもう更年期なのでは…」と来院される方もいらっしゃるそう。しかし疋田先生は、毎月定期的に生理が来ているなら、それは更年期ではなく「気血不足」の可能性があると言います。

「更年期障害というのは、女性ホルモンが減ることで生理不順になり、それに伴って様々な症状が出ること。生理が順調に来ているなら更年期障害の可能性は低いでしょう。東洋医学の考え方では、生理の量が減るのは「気」と「血」、つまり心の栄養と食べ物からの栄養が足りないことが原因と考えることが多く、身体からのストレスサインと考えます」

経血量の減少が直接病気につながることはないと言いますが、子どもを望むなら早めの対処が必要。量が減って無月経になったりする前に、こちらも早めに婦人科を受診するようにしましょう。

いずれにしても、何か自分の身体の不調や変化を見つけたら、早めに婦人科を受診することが大切だそう。何でも相談できて通いやすい病院やクリニックを見つけておけるといいですね。
(取材・文:八巻奈緒 編集:ディライトフル)

お話をお聞きした人

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疋田裕美先生

芍薬レディースクリニック

芍薬レディースクリニック恵比寿院長。日本産婦人科学会専門医。九州大学卒業後、勤務医として分娩管理や手術の経験を積んだのち、2017年4月にクリニック開業。西洋医学をベースに漢方も取り入れた治療で、幅広い年代の女性の健康を支えている。