【お正月】「いつまで行けばいい?」「服装は?」 今さら聞けない“初詣”のキホン

【お正月】「いつまで行けばいい?」「服装は?」 今さら聞けない“初詣”のキホン

お賽銭に相場はあるの?

また、もうひとつ気になるのが、“お賽銭”について。「ご縁があるように5円玉が良い」「幸せが遠のくから10円玉は避ける」など、よく聞くけど…。

「お賽銭の額も決まりはありません。しかし、5円や10円ではなく、100円、500円が良いと思います。お賽銭は、自分の災いや厄、穢れを祓い清める所作。コインは自分の中の悪いものを磁石のように吸い取ってくれているのです。その意味では、神社は人々の災いをきれいにしてくれる“浄化装置”のようなもの。できれば1円以外の金・銀のコインが良いですね」

ちなみに、ごくまれに奮発してお札を投げ入れる人もいますが、5000円以上なら賽銭箱ではなく、きちんと包んで社務所に持って行き、奉納するのがおすすめとのことです。

新谷教授のお話を聞いて、初詣はどんな参り方をしても大丈夫で、特にルールはないということがわかりました。とはいえ、“マナー”という視点で、「こうしたほうが良い」というのはあるようです。ただ行って終わりではなく、きちんと意味を理解したうえで行く初詣。なんだか例年よりもたくさんのパワーがもらえそうですね。
(文・明日陽樹/考務店)

お話を聞いた人

新谷尚紀

國學院大學教授

1948年広島県生まれ。71年早稲田大学文学部史学科卒業、81年同・大学院文学研究科史学(日本史)専攻博士課程後期単位取得退学。國學院大學文学部・日本文学科教授。専門は、日本民俗学。『家族で楽しむ 子どものお祝いごとと季節の行事(日本文芸社)』、『日本のしきたりがまるごとわかる本(晋遊舎)』 、『氏神さまと鎮守さま 神社の民俗史 (講談社)』など著書多数。