【行き先選びと服装選び】冬の親子ハイキングを楽しむコツは?

【行き先選びと服装選び】冬の親子ハイキングを楽しむコツは?

登山は夏のレジャーと思いがちですが、標高が低く、積雪が無い山なら冬でも歩くことが可能です。むしろ、夏の暑い時期よりも、子連れで歩くのにちょうどいいとも言えます。そこで、冬のハイキングを楽しむコツを、親子のハイキング講座などを手掛けるアウトドアユニット「外あそびtete」の東麻吏さんに教えてもらいました。
【行き先選びと服装選び】冬の親子ハイキングを楽しむコツは?

標高が低い山でも事前に積雪を確認しよう

夏に標高の低い山を歩くと、気温が高く汗だくになり、熱中症になったりする危険もあります。そういった意味では、低山は、実は冬のほうが快適に山歩きができるとか。

「都市部に近い、標高200〜500mほどの山なら、冬でも積雪が無い場所も多く、特別な冬山の装備無しで歩くことができます。しかし、いくら低い山でも、必ずビジターセンターや観光案内所などに連絡をして、積雪が無いかを確認してから出かけてください」(東さん、以下同)

ロープウェイがある山の場合は、ロープウェイを運行している会社に聞いてみるという方法もあるとか。

また、標高が低くても、子どもが歩きにくい鎖場や岩場があるコースもあるので、子どもが歩けるコースかどうか、ガイドブックや専門誌などで調べたり、上記のようなビジターセンターなどに聞いてみてから行き先を決めましょう。

冬こそ危険! 汗冷えを甘くみるなかれ!

さて、東さんいわく、冬のハイキングでもっとも気をつけなければならないのは服装だそうです。

「冬でも、どんなにアップダウンが緩やかな山でも歩けば意外と汗をかきます。そして、休憩時に止まると、冬は外気が低いのであっという間にその汗が冷えます。そうすると、体温を奪われて汗冷えが起こり危険です。低体温症になる危険性もあるんですよ。そのため、汗がすぐに乾くアウトドア用やスポーツ用の素材を内側に着ることが大切です」

ハイキングを楽しむ子ども

ハイキング時の服装選びのポイントを3つ教えてもらいました。

・下着やインナーに着るシャツは汗がすぐに乾く素材。
・その上にウールや化繊の、暖かく薄手のものを何枚か重ねる。
・一番上に防風機能のあるアウターを着る(レインウェアを兼ねた防水のアウターでも)。

登山の時には、薄手のウェアを何枚か重ねて、動いて暑くなったら脱ぎ、冷えたら着て、体温を調整していくのが基本です。例えば、大人の女性の場合、冬のハイキングでは、以下のような順番で重ね着して行きます。

スポーツ用のブラジャー→速乾素材の下着→速乾素材の長袖Tシャツ→ウールのネルシャツ→薄手の化繊のフリース→アウター

ウールや化繊は、濡れた場合に速乾性もあり、通気性、保温性にも優れていて、アウトドアウェアとして最適です。ただし、インナーも含めたこれらのウェアを購入する際、アウトドアメーカーのものでも、素材に綿が混ざっていて汗が乾きにくいものもあるので、購入する時には、表示をよく見たりお店の人に聞いたりして、登山に適したものか確認するようにしましょう。

上記のウェア以外に、雨が降ったときのレインウェア(上下別のもの)、小さく収納できるライトダウンを持っていけば万全です。

お話をお聞きした人

東麻吏

フリー編集者、webコンテンツアドバイザー。アウトドアユニット「外あそびtete」を、登山ガイドの栗田朋恵さんと共に主宰。子どもと一緒に自然遊びをしたいけれど、どうすれば? という母親や父親に、最初の一歩を踏み出すお手伝いができればと結成。「母による母(父)のための自然あそびワークショップ」を開催している。著書に『母と子のためのハイキング&キャンプ』(地球丸・刊)がある。