掃除の前に知りたい!エアコンはどうして汚れるの?
エアコンの構造としくみ
エアコンが冷たい・暖かい風を作ることができるのは、気化熱の応用。低温で非常に蒸発しやすく、熱を奪う物質である「冷媒」を利用して、部屋のなかの空気の熱を外気に放出したり、逆に外気の熱を部屋のなかに取り込んだりすることで、部屋のなかの温度を調節しているというわけ。
具体的に説明しましょう。
例えば夏場の冷房の場合。部屋のなかの暖かい空気のなかの熱は、エアコンの内部にある熱交換器とそこにつながった冷媒を通じて室外機へ運ばれます。室内のエアコンからは熱が奪われた空気、つまり冷風が出るというわけです。
さて、奪われた熱の行方は? 室外機にも室内のエアコン同様に熱交換器があり、さきほど室内の空気から冷媒が奪った熱は外気に放出されます。こうして熱が奪われた冷媒はまた室内に戻り、再び室内の熱を奪うために使われます。エアコンは室内機と室外機と1セットなのです。
エアコンの室内機は、冷房や暖房の際、室内の空気を吸気しており、この時お部屋の空気のなかに漂うホコリやカビ、花粉などの微粒子を吸い込んでいるのです。これが、エアコンの室内機のフィルターが汚れる原因のひとつ。
また、冷房運転などでエアコンの室内機の熱交換器が冷媒によって急激に冷やされると、部屋のなかの空気と温度差が生じることから結露が発生。こうして発生した水分は、カビを増殖させたりホコリを吸着しやすくするのです。
エアコンの設置場所にも注意が必要
だからこそ注意したいのが、その設置場所。例えば、キッチンの近くなどに設置する場合は注意が必要。料理で発生する油を含んだ煙は換気扇で外に排出されますが、キッチンの近くにエアコンが設置されている場合はこうした煙を吸気してしまいやすく、フィルターや熱交換器に汚れが吸着しやすいのです。
こうした汚れはカビの餌にもなりやすくなるため、カビ増殖の原因にもつながります。
