価格:家事代行の価格・料金

家事代行業者に依頼する場合の価格
依頼する内容や、派遣される家政婦さんのスキルなどによって価格が違ってきますが、我が家の場合は家事代行業者に対して時給3,500円程度を支払っています。かなり高い印象ですよね。
家政婦さんと直接契約をする場合の価格
こちらも地域や、頻度、依頼内容によって様々ですが、掲示板を見る限り東京都23区内の場合は通常時給1500〜2200円程度で契約している人が多いようです。業者に依頼するのに比べてかなり安く済むのがわかります。
直接契約をする場合の注意点
お願いしたいことと手順を説明できるように
家事代行業者を通さずに直接契約をする場合に最も重要なのは、お願いしたいことを、きちんと紙に書くなどしてポイントをまとめておくことです。そうすることで、あとあとトラブルになったり期待外れになることが少ないでしょう。
依頼内容が多い場合はもちろんですが、料理だけ、掃除だけ、と言っても、家事のやり方はその家庭ごとで様々。
「一汁三菜で、ご飯はいつも3合炊いて」「味付けは辛いものが苦手」「大皿に盛らずに一人ひとり小皿に盛り付けて」「天ぷら油は一回ごとに捨てて」等、料理一つとっても実に様々ですよね。
はじめのうちにそういった細かいところまですり合わせをしておけると、お互いスムーズです。
面接だけでなく、必ず1〜2回はお試しを
先ほど、面接をしてしっかり相性などを見極めた方が良いとお伝えしました。面接をしただけではわからないことも多くあるので、必ず1〜2回は試用期間として実際働いてもらうことはとても重要です。
実際私の家庭でも、面接をしてとても良い方だったのでお試しで一度働いてもらいました。ところが、その方が思っていたよりも仕事が大変で、時間内にほとんど仕事が終わらないまま帰宅ということになりました。その時は、先方からお断りを受けてしまいました。
私としては、たくさんの仕事をざざっと手早くやってもらいたいのが希望だったのですが、来ていただいた方はお掃除などひとつのお仕事をじっくりと取り組みたいタイプ。人柄や経験などは申し分なかったのですが、やはり試用期間を設けてよかったな、と思う一件でした。
ですが試用期間中は、多少給与を低くしたとしてもきちんとお給料をお支払いすることをお勧めします。その方が働いてくれる方のモチベーションも違いますし、結果的に不採用となった場合でもトラブルを防ぐことにも繋がります。
高価な物はしまっておくか触らせないように
家の中で仕事をしてもらっている以上、家政婦さんは食器や家具をはじめとして様々な家財道具に触れることになります。家事をしている最中に壊してしまったり、汚してしまう可能性は十分にありますので、高価な食器などは棚を別にするなどして壊されてしまうリスクを最小限にしておくことが必要です。
家事代行業者を通している場合、作業中に家の中の物を壊してしまったりすると基本的には補償をしてくれます。しかしそうであっても、思い出の品などはプライスレス。補償サービスで相応の代金は戻ってきても、思い出は戻ってきません。そういった物については、家政婦さんに触れて欲しくない旨をきちんと伝えておくことが大切でしょう。
また、高額の現金や高価な宝飾品などは絶対に目につくところに置かないのが鉄則です。自宅にそういったものがたくさんおいてある場合は、金庫を購入してしまっておく、鍵付きのジュエリーボックスを購入するなどの対応も必須と言えます。
盗難のリスクを減らすというよりは、万が一それを失くしてしまった際に、不要な疑いを家政婦さんに持たないようにするために非常に重要なことだと思います。
連絡先と共に身分証明書のコピーも控える
面接、試用期間を設けていざ採用。「とても良い方だし、身分証明書の提出を求めるなんて疑っているようで申し訳ない」などと思うなかれ。やはり、家の中の様々なことをお任せすることになるわけですし、場合によっては鍵を預けて留守宅に入ってきてもらうこともあります。お互いを守るためにも、運転免許証など身分証明書は必須でしょう。
子どもがいる場合、子ども好きか見極める
ベビーシッティングをお願いするかどうかに関わらず、お子さんがいる家庭は家政婦さんが子ども好きかどうかをきちんと確認しておくことも大切なことです。
子どもの行動は予測不可能なことが多いもの。片付けているそばから散らかしてしまったり、時には大きな声で泣いたりぐずったり。そんな時にも、そういった子どもの特性を理解して大らかに受け入れてくれる方だと安心ですね。
条件は明確に。場合によっては契約書も用意
労働条件についてきちんと明確にすることで、特に働いてくれる家政婦さん側が安心して働くことができるでしょう。
何せ個人間の契約になるわけですから、家政婦さんからしても「頑張って働いたのにお給料が支払われなかったらどうしよう・・・」「急に明日から来なくて良いと言われたらどうしよう・・・」など不安もつきものです。
下記のような事項について、きちんと明文化して双方で確認をすると、より安心して家政婦さんに働いてもらえるでしょう。
時給
1時間当たりの金額はもちろんのこと、20分,30分など1時間に満たない時間分の給与の扱いも明記しましょう
交通費
支払うか支払わないかを明記しましょう。我が家では、家政婦さんのご自宅から我が家までの電車代・バス代を支払うようにしています
出勤日・時間
非常に重要な要素なので明記をしておきましょう。
給与の支払日
関係ができるまでは、家政婦さんは給与の支払があるかどうか不安なものです。また、こちらも個人なので振込忘れが発生する可能性もあります。そういったことを予防する意味で、しっかり支払日は決めましょう。前月分を翌月の5日までに支払う、などがその例です。
振込先口座
これも当然必要な情報です。
契約終了の要件
どのような場合に契約終了できるのかを明記しましょう。例えば契約は毎月の更新としておけば、契約終了時=月末のタイミングでお互いに納得感を持って契約を終了することができます。また、当初希望していた出勤日に来れなくなる場合など、契約書に記載されていることに違反した場合も終了の範囲に含めた方が良さそうです。
家政婦さんやお手伝いさんはどんな人たち?

では実際に、家政婦さんというお仕事をしているのはどんな人たちが多いのでしょうか。
その多くはすでにある程度大きくなったお子さんを持つ主婦の方です。
感覚的には、お子さんが小中学校に入ったタイミングで少し時間ができたので昼間に働きたい40代前後のお母さんと、お子さんが成人して自由な時間が圧倒的に増えたので朝から夜まで、要望に応じてフレキシブルに働いている60代以上の女性が多いです。生活の足しにもなるし、自分が今までやってきた家事でお給料を稼げるなら、とアルバイトや副業感覚でやっている方が多いようです。
たまに主婦経験のない若い方が応募してくることもあります。もちろん若さゆえのフットワークの軽さで軽快に家事をこなす方もいますが、やはり「冷蔵庫にあるものでさっとご飯を何品も作るスキル」「料理をしながら洗濯機を回して合間に掃除機をかける等、マルチタスクの能力」などは圧倒的に主婦経験のある方が強いな、と感じます。
外国人の家政婦さんもいるの?
最近インターネット広告などでも増えてきているのが外国人の家政婦さんです。フィリピン人の家政婦さんを専門に派遣する業者などもあるようですね。
外国人の家政婦さんを採用するメリット
外国人というと、文化の違いなども含めて不安もあると思います。ですが、子どもをグローバル人材に、という考えのもと、家政婦さんに外国人を雇い、英語に触れる機会を増やすケースなどもあるようです。
事実、筆者がシンガポールに在住していた時にフィリピン人の家政婦さんを住み込みで雇っていましたが、あまり英語を話せなかった子どもが、家政婦さんとの会話を通じてあっという間に英語がペラペラになりました。
しかし、ビザの問題や、日本の狭い住環境など、日本で外国人の家政婦さんを雇うにはまだハードルが高いのが現状です。
家事代行や家政婦さんを雇うのに向かない方

ここまでどんな人が家政婦さんをしているのか、という話をしてきましたが、今度は逆に雇う側の話をしたいと思います。家事代行を依頼したり家政婦さんを雇う側にも、向き不向きがあります。
下記のような項目に心当たりはありませんか?ひとつでも当てはまる場合、依頼の前に少し自分の考え方や行動様式について再考する必要があるでしょう。
高圧的な態度で召使いのような扱いをする方
家政婦さんと雇い主は、あくまでも労使関係であって、どちらが上、下、ということはありません。まるで召使いのように高圧的な態度を取ったり、声を荒げて怒鳴ったり無視したりすることは絶対にアウトです。
ほんの些細なミスも許せない完璧主義者
家事は完璧にやってほしい、というのは究極的な希望かもしれませんが、それぞれ考え方も家事のやり方も違う人です。体調などから多少仕事にむらが出ることもあるかもしれません。あくまでも、家政婦さんは家事をサポートしてくれる方、という考え方は大切です。
極度に他人に遠慮して要望を伝えられない方
このタイプは日本人に多い、と聞いたことがあります。家事のやり方や、料理の味の好みなどで、明確な相違や不満があるにも関わらず、遠慮してそれを伝えられない方です。
お互い言わなければわからないことは多くあります。気になることがあるのにずっと我慢して溜め込むのもストレスになりますし、逆に満足してもらえていると思っていたのに、ずっと不満を抱えられていたというのも悲しい話です。あまり遠慮しすぎず、「●●してくれると嬉しい」など、伝えてみるのも重要です。
連絡などのコミュニケーションが面倒な方
忙しい家庭に多いようですが、コミュニケーションを取ることを面倒がってしまい、必要なことも含めてほとんど連絡を取らないケースです。
確認が必要なことがあり連絡しても返信が来ない、精一杯美味しい料理などを作り置きしておいても、一度も感想なども聞いたことがない、等だとだんだんとモチベーションが下がってしまうのは目に見えていますよね。
家事代行・家政婦さんへの依頼事項の範囲

家政婦さんにお願いできる仕事にはどのようなものがあるのでしょうか。明確に依頼して良い/悪いが決まっている訳ではありませんので、それぞれの家庭で違ってくるとは思いますし、家政婦さん次第でもあるわけですが、それでも代表的な依頼事項を挙げるなら下記の通りでしょう。
・料理(作り置きなども含む)
・食材や必要物の買い出し
・部屋掃除全般・片付け全般
・洗濯・洗濯物干し・洗濯物片付け・取り込み
・キッチンの片づけ・皿洗い
・浴室掃除
・トイレ掃除
・ゴミ捨て
依頼するなら十分な事前確認が必要
専門的な知識や機材を必要とする掃除や、危険を伴う仕事についてはきちんと専門業者に依頼しましょう。また、乳幼児の育児や高齢者介護など、命を預かる仕事についても、専門知識を持たない人に任せるのは大変危険です。
エアコン等の家電の掃除
エアコン等の家電の掃除は、プロが正しい手順で、正しい機材や薬剤を使って行うべきものです。家事代行業者であれば専用のメニューを持っているケースもあるので、家政婦さんを雇ったとしてもすぐに依頼はせず、代行業者に相談しましょう。
換気扇掃除
家電ほどではないですが、換気扇も同様にプロの技術が必要です。これも家事代行業者を利用しているなら、業者に相談をしましょう。
窓ふき
物件によっては窓ふきが非常に危険な作業になることもあります。高層階の窓拭きのような危ない仕事は絶対に依頼してはいけません。
ベビーシッター・育児
特に家事代行業者の場合、家事代行の担当者とベビーシッティングの担当者を分けているケースがあります。何かがあってからでは遅いわけですから、業者としては「家事をしながらベビーシッティングをすることはできない」と考えるのも無理はありません。家事代行業者を利用している場合は必ず相談しましょう。
個人契約の場合は依頼できることがありますが「家事をしながらの子守」なので完璧に子供にだけ集中して働くことはできないわけですから、そのリスクを十分に理解をしておきましょう。
介護
介護は重労働であり、また高齢者と接することに慣れているプロに任せるべき仕事です。個人契約の場合は、介護を依頼するのはNGと言っても良いでしょう。家事代行業者の場合は介護用のメニューを準備している会社もあるようですが、本来は介護に特化した会社に依頼すべき事項なのではないでしょうか。
家政婦・メイドが一般的な海外の家政婦事情
昨今、利用者が急増してきている家事代行。日本ではここ数年で一般的に利用する人数も増えてきているようですが、国によっては以前から家政婦さんを雇うことが一般的なところもあります。

シンガポールの事例
ここでは、筆者が3年前まで住んでいたシンガポールを例に出していきたいと思います。シンガポールでは、非常に多くの世帯で家政婦さんを「住み込み」で雇っています。
このように一般的な住み込みの家政婦さんですが、外国から出稼ぎにきている方と一つ屋根の下で暮らし、家事の大部分を担ってもらうとなると日本の家政婦さんとはまた違った良さも悩みもあります。
ここではその実態について、経験を元にお伝えします。
家政婦さんは外国籍の出稼ぎが多い
まずシンガポールでは、住み込みの家政婦さんは外国からの出稼ぎ労働者の女性に限定されています。国籍はインドネシアやフィリピン、ミャンマーなど隣国出身者が大半です。家政婦さんとして働くことのできる国籍が決まっているため、シンガポール人や日本人などが住み込みで家政婦として働こうとしても働けません。
国がかなり厳しく管理している
シンガポールでは共働き世帯が非常に多いため、家政婦さんとして働く外国人労働者も相当数います。ビザの問題やモラルの問題なども発生するため、国が中心となってその法整備を厳しく行なっています。
定期的に国が彼女たちに対して健康診断の義務を課しており、万が一シンガポールで妊娠したり、HIVに感染したりした場合は即刻本国に強制送還となってしまいます。そのための費用は全て雇い主が支払うことになります。
管理されるのは家政婦さんだけではありません。雇い主側に対しても、家政婦さんの扱いや依頼内容について禁止事項が厳しく定められています。
つまり、双方が安心安全に暮らせるような仕組みができているということです。とはいえ、それらが守られずにトラブルが発生する例などはありますが、国がベースの法律などを決めているというのはさすがと言えるかもしれません。
住み込みの場合ほぼ全ての家事・育児を行う
住み込みで働く家政婦さんは、多くの場合掃除、洗濯、料理などその家庭の家事を一手に引き受けます。子どもがいる家庭では子守などもふくまれます。
乳児であればオムツ替えや抱っこ、ミルクなど。ある程度大きくなっている子どもには習い事のお迎えや、子ども同士の遊びの見守りなどを行います。家政婦さんによっては、子どものスポーツの練習相手になってくれるケースもあるようです。
お休みは週1回でその他の日は全日働く
週休1日(大抵日曜日)が義務付けられており、それ以外の日は基本的に働くことになります。住み込みでほとんど毎日、あらゆる家事を担当してくれる、心強い味方なのです。
日本の感覚ではお給料が非常に安い
お給料は、彼女たちの生活費などを含めて日本円で6万円/月程度と、日本の感覚でいえば非常に安いです。シンガポールのように東京以上に物価の高い国ではなおさらです。
しかし、住む場所があり、水道光熱費や食費、Wi-Fiの費用、ティッシュペーパーやシャンプーなど必需品もすべて雇用主が支払います。
そのため、彼女たちがお金を使わなければいけないシーンは少なく、給与の多くを母国の家族などへ仕送りにあてているようです。
雇い主と家政婦・メイドの信頼関係
厳しい話にはなりますが、雇い主と家政婦さんの間には、日本以上に高い壁があると考えた方が良さそうです。
生まれ育った環境や考え方が全く異なるのですから、あまり信用しすぎてしまうと良いことはありません。
実際に、シンガポール人の友人達からも、しょっちゅう家政婦さん絡みのトラブルの話は聞いていました。
筆者も、実際に何度か痛い目を見ました。
例えば、小学生の子どもがマンションのプールで遊んでいる間の見守りをお願いしていたのですが(シンガポールは暑い国なので、基本的にすべてのマンションにプールがついています)「万が一溺れたりすると怖いので、目を離さないで見守っていてください」とお願いしていました。しかし、ある時ふと子どもが「僕がプールで泳いてる間、いつも家政婦さんは携帯で動画見てるよ」と言っているのを聞いて、そういった命に関わるようなことについてはお任せしてはいけないのだと学びました。
基本的に、家政婦さんとして生計を立てている女性は、子ども好きで明るいタイプの方が多いです。
それでも子どもの安全など、絶対に譲れない部分については自分で行うなど、線引きが必要ということです。
雇い主とのトラブルは多く解雇も頻繁
ちょっとしたボタンの掛け違いのようなトラブルであれば、都度話し合いで解決しますが、そういった問題がなんども繰り返されたりすると、お互いにストレスにもなります。
それぞれの家政婦さんは仲介を行うエージェンシーに所属しているので、雇用主は解雇を考えた際、そのエージェンシーに連絡をし、別の家政婦さんを雇う手続きをします。解雇された一度そのエージェンシーの宿泊施設に戻り、新しい雇用主を探すことになります。
毅然とした態度でのフィードバックも必要
先ほど、遠慮しすぎるあまり、フィードバックを行えない雇い主について話をしましたが、外国人の家政婦さんを雇う以上、日本人同士以上にフィードバックが必要です。
また、日本人同士のコミュニケーションにありがちな遠回しな表現では伝わらないこともしばしばですし、遠慮しながらフィードバックをしているとナメられてしまうことすらあります。
時には厳しいフィードバックをしなければならないこともありますが、毅然として自身の要望をきちんと伝えることが、お互い良い関係で暮らしていくためのエッセンスかもしれません。
筆者もシンガポール時代はかなり厳しくフィードバックをしていましたが、日本では同じ日本人同士ということもあって価値観が似ているため、厳しくフィードバックをする機会は激減しています。日本の家政婦さん・家事代行の方々の質は、やはり日本人に合っているのだろうと実感します。
