人だと何歳?犬の年齢と成長に応じたケア方法まとめ

人だと何歳?犬の年齢と成長に応じたケア方法まとめ

犬の年齢に合わせた適切な世話とは

犬の年齢区分ごとに、「適切」といえるお世話の仕方にも違いが出ます。幼犬と老犬が、同じ食事・同じ散歩量では、体への負担も大きくなってしまうでしょう。愛犬の成長によって必要な世話方法を知っておくことが大切です。

幼犬の場合

健康な体つくりと、基本的なしつけをする成長期には、栄養満点な食事やトレーニングが必要になります。生後3カ月までのパピー(子犬)には、1日に必要な食事量を朝・昼・晩の3回に分けて食べさせます。このとき、お湯でふやかした子犬用のドッグフードを与えましょう。消化器官が未発達なので、いきなり固いドッグフードをあげても上手に消化できません。生後3カ月以降~半年頃までは、固いドッグフードとふやかしたドッグフードを、「半々」に混ぜて少しずつ固さに慣らしていきます。そして、生後半年~1年を目安に成犬用のドッグフードに移行していきましょう。
また、メスは生後6~7カ月頃から発情(ヒート)するようになり、オスはマーキングが始まります。犬の繁殖は1歳半頃から可能ですが、繁殖をさせない場合には早めの避妊・去勢手術を検討しましょう。メス・オス共に避妊・去勢手術をすると、性別特有の病気を防ぐことができ、その結果として寿命が延びることも考えられます。その反面、全身麻酔で行われるため、麻酔から目覚めない、死亡する可能性もあるといったデメリットも含まれます。しっかりと考えて判断しましょう。
そして、成犬になってからだと覚えられないことも多くなりますので、基本的なしつけを行うのもこの時期が最適です。まず、トイレトレーニング・食事のマナー・「待て」「お座り」などで飼い主の言葉を理解できるようにします。並行して、甘噛みや他の犬との接し方、留守番ができるように教えていきましょう。

成犬の場合

成犬の食事は、成犬用のドッグフードを朝・晩の2回に分けて与えるようになります。毎日の食事にプラスしておやつをあげる人もいますが、かわいいからといって与えすぎには要注意です。肥満は犬にとって「万病のもと」だということを忘れてはいけません。贅肉は増えても、足腰は強くなれませんから、運動が困難になります。足の筋力低下や、体重による関節への負担も大きくなりますので、適量を適度にあげましょう。おやつと食事のバランスを重視し、低カロリーなものを選ぶことも大切です。
また、2~3歳頃に反抗期を迎える犬もいます。パピーのときにしっかりしつけても、言うことを聞かなくなることが少なくありません。この場合は、再度しつけ直す必要があります。こうすることで、改めて飼い主の優先度が高くなり、主従関係が確立されていきます。あくまでも、「自分より飼い主が上位」なのだと教えることも重要なしつけの1つです。
なお、犬には法律で義務付けられている予防接種があります。犬だけでなく、人にも感染する「狂犬病」のワクチンは年に1回、必ず受けなくてはいけません。治療法のない狂犬病の主な感染源は「犬」といわれています。感染した場合、100%死亡する大変危険な病気ですから、通知が届いたら所定の方法できちんと摂取させましょう。これに加えて、任意で「摂取を推奨」されているワクチンも、可能な限り摂取しておきましょう。2~10種類の混合ワクチンがありますので、最寄りの動物病院で確認してみてください。

老犬の場合

人間の60歳という高齢を迎えると、老化は目に見えて表れます。
老化によって歯が抜けると、成犬用の固いドッグフードをだんだん食べられなくなってしまいます。そのため、老犬用のやわらかめに作られているドッグフードに変えてあげたり、お湯でふやかしたりして与えます。運動量が減っていくので、消化がしやすく、低カロリーなものにするとなおよしです。缶詰タイプでペースト状のものも販売されていますので、愛犬の様子を見ながら食べやすいものを選んであげましょう。
また、優しくブラッシングを行うことで、抜け毛をなくし清潔に保つこともできますし、マッサージ効果も得られます。皮膚を刺激すると、新陳代謝を活発にする効果も期待できます。愛犬の健康のためにも、ぜひ日課に取り入れましょう。ちなみに、自力で歩けなくなった老犬の場合でも、家にこもっているよりも、外で日光浴させてあげると免疫力の向上につながります。抱っこやカートなどで連れ出してあげるとよいでしょう。
老犬は、加齢によって抵抗力が衰えてしまい、風邪などを引きやすくなることも考えられます。シャンプーの回数を減らし、するときにはしっかりと乾かしてあげましょう。ドライシャンプーや蒸しタオルで拭くだけでも、ケアとしては充分です。
さらに、目ヤニやよだれも出やすくなるので、こまめに取ることも忘れてはいけません。カピカピに固まると取りにくくなりますし、無理矢理こすると痛みを伴います。目ヤニが増えると視界が悪くなり、歩行に支障をきたすこともあるので、できれば毎日見てあげましょう。そして、自身での体温調整がしにくくもなります。留守にするときは、冷暖房設備で室温を一定に保つなど、 温度調整にも気を配ることが大切です。

年齢に合わせた世話で犬を幸せにしよう

人間に比べ、犬は寿命が短い生き物です。人が過ごす1年は、犬にとって4~7年とされています。そのため、犬の一生は、人間が思っているよりもあっという間に過ぎてしまうのです。大切な家族であり、愛するペットだからこそ、健康に気づかい、毎日の変化を見逃さないようにしましょう。
また、犬の年齢ごとに適した環境や、望ましいお世話の仕方は異なります。愛犬にとって、そのときどきで過ごしやすい環境を整えてあげることが、飼い主の重要な役目なのです。適切なお世話は、長寿への第一歩です。幼犬から成犬、老犬へと歳を重ねるとともに、愛犬に合ったお世話の方法を考えなくてはいけません。
飼い主がしっかりと考え、行動することで、愛犬は安心して楽しい毎日を過ごしていくことができます。1日でも長く、愛犬との幸せな時間を過ごすために、年齢によるケア方法をきちんと把握し、役立てていきましょう。