覚えておこう 初詣の正しい作法
では、いよいよ初詣の正しい作法について見ていきましょう。『神社』『お寺』それぞれの独自の作法から、両者に共通する作法まで詳しく紹介していきます。
神社への参り方
神社への参拝というと、細かいルールが多く面倒と思われがちですが、最低限の作法さえ押さえてしまえば決して難しいものではありません。以下、どのような神社を訪れても安心の基本の参り方を確認していきましょう。
- 鳥居前で服装を整え、神様への敬意を込めて一礼する
- 手水舎で柄杓を使い心身を清める
- 拝殿前で一礼し、邪気祓いの鈴を鳴らしてお賽銭を入れる
- 二拝二拍手一拝(神社によって違うこともあるため要確認)で拝礼する
- 軽く一礼し、その場を離れる
- 鳥居を出たら、改めて境内へ向き直り、神様への感謝を込めて一礼する
なお、参道の中央は『正中』と呼ばれ、神様の通り道とされています。神様に敬意を払うためにも、参道の端を選んで歩くようにしましょう。
お寺への参り方
では、お寺への参り方はどうなのかというと、基本的な流れに神社と大きな違いはありません。建造物や設置されている物の名前の違いを含め確認していきましょう。
- 山門前で一礼、もしくは合掌をする
- 手水舎で心身を清める
- 鐘楼があり、自由に梵鐘を鳴らせるようであれば鳴らして仏様にあいさつをする(有料の場合も)
- 燭台・香炉があれば、それぞれロウソク・線香を供える
- 賽銭箱の前で一礼し、鰐口(鈴)を鳴らして賽銭を入れる
- 目を閉じ、胸の前で合掌する(お寺によっては題目や真言を唱える)
- 一礼してその場を離れる
- 山門を出たら、本堂へ向き直り一礼する
共通した作法
神社・お寺共に、門(神社の場合は鳥居・お寺の場合は三門)から先は神様や仏様のいる聖域です。「お邪魔させていただく」という心構えを忘れないためにも、出入りの際は一礼を忘れないようにしましょう。
また、手水舎での作法も神社・お寺で共通しています。神様・仏様と会うための穢れ落としとして、ぜひ手順をしっかり覚えておきましょう。
- 右手で柄杓を持ち、水をくむ(ここでくんだ1杯を最後まで使う)
- くんだ水で左手を洗い清める
- 柄杓を左手に持ち替え、右手を洗い清める
- 再び右手に柄杓を持ち替えたら、左手を受け皿にして水を流し込む
- 左手の水を口に含み、音を立てずに口をすすぐ
- 再び左手を清める
- 柄杓を立て、残った水で柄を洗い流す
- 柄杓を元の場所に伏せて置く
『最後に柄杓の柄を洗い流す』ことは忘れられがちですが、たくさんの人が訪れる寺社での大切なマナーです。意識して行うようにしましょう。
初詣で正式参拝をする場合
神社へのお詣りには、拝殿の外からお詣りをする『略式参拝(社頭参拝)』と、拝殿内で神主のお祓いを受けて行う『正式参拝(昇殿参拝)』とがあります。初詣では、略式参拝をする人が大半ですが、かといって正式参拝ができないというわけではありません。初詣で正式参拝をする場合の手順を紹介します。
参拝の申し込み方
初詣で正式参拝をしたいという場合、社務所にて参拝の申し込みをする必要があります。
多くの場合、当日でも申し込み可能ですが、神社や時期によっては事前予約のみしか受け付けていないこともあるため事前に確認しておきましょう。
社務所にて申込用紙を受け取ったら、名前や住所などの必要事項を記入し、ご祈祷料(初穂料・玉串料)と合わせて納めましょう。
なお、社務所を訪れるまでの鳥居や手水舎での作法は略式参拝のときと同様です。通常よりも神様の近くでお詣りすることを考えて、いつも以上に丁寧な作法を心がけましょう。
ご祈祷料について
正式参拝で必要なご祈祷料に決まりはありませんが、一般的に5000円~1万円が相場といわれています。地方によっては3000円~が目安となることもあるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
このご祈祷料を納めるにあたっては、『のし袋』を用意するのが正式なマナーです。紅白の蝶結びの水引きが付いたのし袋を事前に用意しておくのがよいですが、事情によって用意できない場合には無地の白い封筒で代用しましょう。
用意したのし袋(封筒)には、上段に『御初穂料』『御玉串料』『御礼』などの表書きを、下段には参拝者の氏名を記入します。
ご祈祷料は、あくまでも神様への捧げ物です。失礼のないように、しっかりと準備しておきましょう。
礼拝の流れ
正式礼拝に不慣れな場合、何をするのかが分からずに不安になってしまうこともあるでしょう。落ち着いて参加できるよう、基本的な礼拝の流れを紹介します。
- 【昇殿】順番が来たら、一礼をして社殿に入る
- 【修祓(しゅばつ)】神職による、儀式前の穢れ落としのお祓い
- 【祝詞奏上】参拝者の願い・誓いなどを神主が大和言葉で唱え、神様に伝える
- 【御神楽】巫女による舞の奉納
- 【玉串拝礼】参拝者自身の手で玉串を神前に捧げる
- 【護符・撤饌拝受】お札や絵馬・撤饌(神様へのお供え物のおさがり)などをいただく
神社によって違いはありますが、おおまかな流れとして覚えておくとよいでしょう。
