洗濯指数ってそもそも何でしょう?
洗濯指数とは、「洗濯物を外干しした時の乾きやすさ」を数値化したりイラスト化したものです。天気予報アプリなどで、「洗濯物が濡れているイラスト」→「あまり乾かない」とアイコン表示されているものもありますね。「洗濯指数60」→「外干しは乾くまで時間がかかる」と数字で表示しているものもあります。

画像提供/日本気象協会
上の画像は、日本気象協会が公式サイトで毎日公表している洗濯指数です。イラストと乾きやすさのコメントで表示され、外干しや部屋干しの目安になるように工夫されていますね。

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この画像は、昨年まで日本気象協会が公式サイトで公表していた洗濯指数です。洗濯指数をイラストと10~100までの数字で表示していて、数字が100に近いほどよく乾くという意味ですが、指数40と50では外干しの判断に迷うこともありそうですね。
上記のように、洗濯指数は表示方法にも色々な種類があるようです。それでは、洗濯指数について詳しく見てみましょう。
気象情報から水分の乾く速度を予想
洗濯指数は、洗濯物を外干しした時の乾きやすさですから「天気と深い関係があるんだろうなぁ」というのはなんとなく分かりますね。洗濯指数とは、天気や湿度、風の強さなどの気象情報から洗濯物の水分が乾く速度を予想したものなのです。
洗濯物が早くよく乾く気象条件であれば「よく乾く」洗濯指数となり、湿り気が残る気象条件であれば、「あまり乾かない」という洗濯指数になりますよ。
洗濯指数の統一された定義はありません
洗濯指数は「洗濯物を外干しした時の乾きやすさ」とご紹介しましたが、ではどんな風に乾きやすさを決めているのでしょうか?実は、洗濯指数は統一された定義はなく、気象会社(気象に関する情報発信やサービスの提供をしている会社)などがそれぞれ独自の基準で計算して発表しているものなので、詳しい計算方法は分かりません。
気象庁の質問コーナーによると、洗濯指数は「気温・湿度・風速・日射量などをもとに木綿の長そでシャツの乾き具合を計算したもの」とされているので、指数をみる時の参考にしてくださいね。「ジーンズは木綿の長そでシャツより乾きにくいから、洗濯指数70だけど乾かないかもしれない」や「速乾生地のTシャツだから、洗濯指数40だけど乾きそう」といった活用ができそうですね。
各社が工夫を凝らした生活指数
洗濯指数のほかにも、気象会社などからいろいろな指数が発表されています。これらは「生活指数」と呼ばれ、生活の中で天気と関係する事柄について分かりやすく表示されているので、天気予報と合わせて気にしてみましょう。私たちの生活に役に立つ指数からくすっと笑いを誘うものまでいろいろあるので、ここでいくつかご紹介しますね。
●お出かけ指数…屋外へのお出かけに適しているかどうかの指数
●寒暖差肌荒れ指数…肌の乾燥や肌荒れにつながる急激な気温低下のリスクを5段階で示したもの。保湿などのスキンケアの目安に
●掛け布団指数…どんな掛け布団が良いかをお知らせする指数。数字が大きいほど厚めの掛け布団がおすすめ
●鍋指数…寒さや空気の乾燥具合などから「どんな鍋が食べたくなるか」を提案する指数。
いかがでしたか?天気情報だけでなく、季節に関連した指数もありましたね。夏になるとビール指数やアイスクリーム指数なども発表されますよ。
他にもたくさんの生活指数がありますので、いろいろ探して参考にしてみましょう。
洗濯指数って当たる?
洗濯指数は気象条件をもとに各社が計算している数字と紹介しましたが、それでは「洗濯指数ってどのくらい当たるの?」という点も知りたいですよね。
結論からいうと「十分参考にできる程度」には当たると言えるでしょう。現代の天気予報はとても精度が高いものになっていて、天気予報アプリでも住んでいる地域の1時間単位での天気の移り変わりまで見られますよね。雨雲レーダーで見られる雨降り予測もかなり正確です。そのため、予報の気象条件をもとに計算している洗濯指数の精度も上がっているんですよ。
ただ、計算に使う気温・湿度・日射量のデータを取得する場所から離れた地点では、誤差が大きくなってしまうでしょう。また、気象庁が「雨」と発表する基準が「1時間に1mm以上の雨」なので、一時的にパラりと少量の雨が降る程度では「曇り」予報となります。でも、このパラりの雨でも洗濯物は濡れてしまいますから、洗濯指数と一致しない事もあるかもしれませんね。
さらに、「レーダーに映らない低い雲からの雨予測が難しい」「空の8割が雲で覆われていても晴れの判定になる」といった問題があるので、洗濯指数が良い日でも思ったより乾かないこともありますよ。
観測場所から距離があると洗濯指数が当たらないことも
気象予報士kalenさんに、自宅での洗濯物の乾き具合と洗濯指数が異なった日の事例を教えてもらいました。
2020年2月6日の奈良の洗濯指数は最低ランクで「部屋干し推奨」だったのですが、kalenさんの自宅では外干しでもタオルが乾いたそうです。これは、洗濯指数計算の基準としたデータが奈良アメダスで、kalenさんの自宅のある奈良県北西部はから少し離れた場所のデータだったからと考えられるそうですよ。
奈良アメダスのデータを確認すると日照量も0だったため、奈良アメダス観測場所のある奈良市周辺ではこの洗濯指数は当たりだったということです。つまり、アメダス周辺とそこから離れている地域では少し差が出る、ということなので自宅と一番近いアメダスの地域差がある場合は注意しましょう。
【参考URL】kalen「洗濯物の乾き具合を調べるblog」
※(記事後半)2020年2月6日の洗濯物の乾き具合
強風には注意
天気予報が晴れで洗濯指数が高い日でも、強風には注意しましょう。洗濯物が飛ばされてしまうので、風が強い日には外干しはできませんね。
また、花粉症の人は洗濯指数の他に花粉の飛散情報にも注意して、花粉の多い日には部屋干しにしましょう。
洗濯指数を活かした上手な洗濯術
小さな子どもがいる家庭や共働き世帯などは、効率よく洗濯をしないとあっという間に洗濯物が溜まってしまいますよね。ここからは、洗濯指数を上手に活用した洗濯術をご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
洗濯の計画を立てましょう
洗濯を始める前に、天気予報や洗濯指数を見ながら洗濯の計画を立てましょう。
「今日は洗濯するかどうか?」「外干しが良いか部屋干しが良いか?」など、判断しなければならないことは意外に多いですよね。以下に、当日の判断と1週間の計画について考え方をご紹介します。
当日の判断はいろいろな条件を見て!
当日の洗濯計画を立てるときは、天気予報や洗濯指数を「今日これからの天気の移り変わり」の参考にしながら、実際に外の天気を見て決めましょう。
自分の帰宅時間を考慮するのも大事ですよ。例えば雨が降る可能性がある場合、自分が家にいて急な雨でも取り込めるなら外干し、帰宅が遅くなりそうなら部屋干しや軒下へ、といった判断ができますね。
洗濯物を濡らさないことを第一に考えて計画を立てましょう!
1週間の計画は週の後半でこまめに見直しを!
1週間単位で洗濯の計画を立てる場合は、洗濯指数はあくまで目安として週間天気予報をきちんと確認しましょう。週間天気予報は、複数のサイトを確認すると確実性が増しますよ。
また、週間予報は週の後半の予測が各社でクセがあるため、精度が落ちたり予報がバラつくことが多くなります。ですので、こまめに予報をチェックして計画を都度修正しましょう。気象庁が発表する週間天気予報では、「予想信頼度」も表示されているので、それを参考にするのもよいですね。
外干し日は天気予報で晴れマークがあり予想信頼度A、予想降水確率が20%以下の日がねらい目だそうですよ。ただし週間予想の後半は信頼度Aでも変わる事があるので、こまめに天気予報を確認するのを忘れずに!
また、予想降水確率が30%前後の場合は雨が降るかどうかとても微妙なので、外干しするかどうかは慎重に判断しましょう。
雨が降らなくても乾かない日に注意!
天気予報が「晴れ」だったのに洗濯物が乾かなかったという日もありますよね。
雲量8(空の8割がほぼ雲に覆われている)でも、雲量9以上でないと「曇り」にならないので天気予報の判定は「晴れ」となります。同じ「晴れ」予報でも雲量3と雲量8では、当然洗濯物の乾きやすさに差が出ますよね。特に冬の季節の外干しは日照時間による気温の上昇と日射量が必要になるので、同じ晴れ予報でも雲が多いなど乾きにくい日がありますよ。
また気温が低すぎる日は、湿度が低くても乾ききるのに時間がかかる場合があるので注意しましょう。以下では、kalenさんのブログから乾くのに時間がかかった日の事例を紹介しているので参考にしてみてくださいね。
●2018年2月27日 よく晴れているが乾くのに時間がかかった事例
kalenさんの観察によると、この日はよく晴れていて気温も順調に上昇していましたが、湿度が高かったためか7時に干した洗濯物が完全に乾くのに11時までかかったそうです。

画像提供/kalen
【参考URL】kalen「洗濯物の乾き具合を調べるblog」(記事後半)
2つのグラフのうち、上のグラフでオレンジの線が洗濯物(タオル)の水分量で0%になると「乾いた」と判断しています。10時台には0%になっていますが、タオルの縁まで乾いたのは11時台だったそうですよ。
洗濯物の乾きやすさには、気温や天気のほかに湿度も大きく関係しているのですね。
●2018年1月12日 気温が低すぎて(10度未満)昼過ぎでも乾かなかった事例例
この日の観測では、寒い冬の日だったため乾くのにとても時間がかかったそうですよ。

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【参考URL】kalen「洗濯物の乾き具合を調べるblog」(記事後半)
2つのグラフで、上のグラフの洗濯物の水分量(オンレンジの線)と下のグラフの洗濯物の表面温度(青とオレンジの線)を比べながら見てみましょう。この日は気温が大変低かったため、洗濯物の表面温度も0度以下になり凍ったりしたそうです(下のグラフ青とオレンジの線)。その後に温度は上昇しますが、雲が増え始めたりして洗濯物の水分量(上のグラフオンレンジの線)はほとんど変わりません。
お昼過ぎにようやく乾きはじめ、タオルの縁まで乾いたのは13時だったそうです。干してから6時間もかかったことになりますね。冬の気温の低い日は、外干しでも乾かすことはできますが時間がかかるので、天候の急変や雲の量が気になる時は部屋干しの方がおすすめですよ。
大物は洗濯指数の高い日を狙おう
シーツなどの大物を洗濯したい時は、天気予報が晴れで洗濯指数も高い日を選びましょう。具体的には、晴れ予報・空にできるだけ雲がない・予想降水確率が20%以下・洗濯指数が高い日がおすすめですよ。さらに、冬の季節はできるだけ気温が高い日を選びたいですね。
洗濯指数が低い日は洗濯物は最小限&部屋干し
子どもがいたり大人数家族の場合や、明日までに洗濯して持っていきたいものがあるなど、洗濯指数が低くても洗濯したい日もありますよね。そのような時は、洗濯物は最小限にして部屋干しにしましょう。
以下では、部屋干しで早く乾かすコツや臭わないコツをご紹介するので、部屋干しの参考にしてくださいね。
部屋干しで早く乾かすには
洗濯物が早く乾く室内環境とは、室温は25度前後またはそれ以上で湿度は60%以下となります。冬の季節でも室内を空調していれば部屋干しで十分乾かすことができますよ。洗濯物を部屋干しすると、室内の湿度が数~10%前後上昇するので冬場の加湿に利用するのもおすすめです。
さらに、扇風機やサーキュレーターで室内の空気を循環させたり、洗濯物に直接風を当てるとより乾きやすくなります。洗濯物同士を少し離して間隔を空けるのも乾きやすくなるポイントですよ。
ただし、梅雨時期から晩秋は湿度がとても高くなるので、室内で早く乾かすことがなかなか難しい時期となります。この時期はとにかく室温をできるだけ確保したまま、除湿器などで湿度を下げる工夫をしましょう。
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部屋干しで洗濯物が臭わないコツ
部屋干しをするときに気になるのが、洗濯物の臭いですよね。洗濯物の臭いは雑菌が繁殖することで起こるので、外干し部屋干し問わずにできるだけ早く洗濯物を乾かすのが臭わないコツとなります。だいたい2~3時間で洗濯物を乾かすことができれば、臭いを抑える事ができますよ。
最近では部屋干し向けの洗剤や柔軟剤が売られているので、それらを使うのも洗濯物の臭いを押さえるのに効果的だと考えられます。
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