IHクッキングヒーターの種類と特徴
電気の力で鍋やフライパンを加熱するIHクッキングヒーターは、卓上型・据え置き型・ビルトイン型に大別できます。それぞれの特徴や利点を知り、キッチンに合ったタイプを選びましょう。

テーブルの上で使える 卓上型
「卓上型」は、テーブルの上で使えるように設計されたコンパクトなタイプです。カセットコンロのIH版で、食卓ですき焼きや鍋料理をする際に重宝します。
卓上型のメリットは、調理しながら食べられる点や収納場所に困らない点です。持ち運びができるため、場所を問わずに使えるのもポイントでしょう。
ただ、ほかのタイプよりも火力が弱く、調理にやや時間がかかる傾向があります。ヒーター数は1口で、2つの料理が1度にできないのもデメリットです。
設置や交換が簡単 据え置き型
「据え置き型」はキッチンのガスコンロを配置するスペースに据え置くタイプです。ヒーター数は2口が主流で、魚焼きグリルが付いている物と付いていない物があります。
天板がフラットなぶん掃除がしやすく、取り付けや交換の手間がかからないのがメリットです。火力は卓上型よりも強く、一般的な家庭用として使用できます。
デメリットは、キッチンの天板とIH本体との間に隙間ができる点でしょう。調理中に食材が落ちていきやすいため、定期的な掃除が必要です。
また、コンロ台は幅が55~60cm前後なので、大きな鍋を同時に2つ並べられない場合もあります。
キッチンと一体化 ビルトイン型
「ビルトイン型」は、システムキッチンに組み込まれているタイプです。3つのなかではバリエーションがもっとも多く、温度調節機能やタイマー機能などの様々な機能が搭載されています。
天板の幅は60cmと75cmの2種類で、左右のヒーターに火力の小さなラジエントヒーターを備えた「3口タイプ」が標準です。
ラジエントヒーターで煮込み料理をしながら、手前のヒーターで2品のおかずが作れるため、人数の多いファミリーには最適でしょう。
ビルトインは本体価格が高く、専門業者に設置工事を依頼しなければならないのがデメリットです。賃貸では設置が難しく、新築やキッチンのリフォームをする際に導入するのが一般的です。
IHクッキングヒーター選びのポイント
IHクッキングヒーターを選ぶときは、機能面と安全性の両方をチェックします。どんなふうに調理するかをイメージしながら選びましょう。

最大火力を確認
IHクッキングヒーターの「最大火力」はメーカーや機種ごとに異なります。火力は「W(ワット)」で示され、数が大きくなればなるほど火力が強くなります。
最新のIHクッキングヒーターの最大火力は「3.0kW(3000W)」がほとんどです。3.0kWとは1Lの水が2分強で沸騰する火力です。
火力の表示が「強・中・小」の場合もあり気になりますが、強ならIHクッキングヒーターでも炒め物はおいしく仕上がります。鍋でお湯を沸かすときも時間がグッと短縮できるでしょう。
一方で「火力が高い=消費電力もかさむ」という点も忘れてはいけません。料理の種類に応じて「火力が何段階で調節できるか」もチェックしておくのが賢明です。
機能や安全性もチェックして
IHクッキングヒーターは火を使わない点においてはガスコンロよりも安全です。
しかし、天板にスプーンやフォークが乗っていたり、子どもがスイッチをいたずらしたりすると思わぬ事故につながります。調理面での便利さも大切ですが「安全機能の有無」も確認しましょう。
例えば、自動的に電源が切れる「電源スイッチ自動OFF」や空焚きや温度の上昇を防ぐ「温度過昇防止機能」が付いていれば、スイッチをうっかり切り忘れたときも大事に至りにくいでしょう。
小さな子どものいる家庭では、ヒーターの作動をロックする「チャイルドロック機能」があると便利です。
