受け取れるお金の違いを知ろう

専業主婦は夫の「扶養」に入ることで、国民年金保険料を支払う必要がなくなるなどのメリットがあります。一方、共働き世帯よりも年金の受給額が少なく、出産手当金が受け取れないといったデメリットに不安を覚える人もいるでしょう。
専業主婦も年金を受け取れる
「扶養に入っている」とは、税金や社会保険の納付が難しい人が税金を納めている家族の収入で暮らしているということです。働いていない子どもや、収入の少ない配偶者などが該当するでしょう。
20~59歳の専業主婦が厚生年金に加入している夫の扶養に入っている場合、国民年金制度において「第3号保険者」にあたります。
扶養に入っている期間は「国民年金保険料」を納めたのと同じ扱いになりますが、扶養に入った後も夫の厚生年金保険料はそのままです。国民年金保険料を払うことなく年金を受給できるのは、専業主婦ならではのメリットといえるでしょう。
20歳で結婚して60歳まで扶養に入り続けた際は、65歳から毎年約80万円の「老齢基礎年金」を受給可能です。夫が亡くなった際の保障も手厚く、夫が受け取るはずだった厚生年金の4分の3が「遺族厚生年金」として妻に支給されます。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20150401-02.html
老齢厚生年金や出産手当金は受け取れない
厚生年金に加入している兼業主婦は、老齢基礎年金に加えて「老齢厚生年金」も受け取れます。
一方で、専業主婦は厚生年金に加入している夫の扶養に入っていても、自分自身が厚生年金に加入しているわけではありません。受け取れるのは「老齢基礎年金のみ」です。
厚生年金に加入していない専業主婦は「出産手当金」も受け取れません。出産手当金は「被保険者本人が出産で会社を休んでいる期間」が対象のため、夫の扶養に入っていたとしても対象外となります。
将来に備えてお金の知識を身につけよう

子どもの教育費はもちろん老後の生活にも何かとお金がかかります。額が大きいからこそ、少しでも早く備えておくと安心です。専業主婦でも気軽に始められる「資産形成」の手段も押さえておきましょう。
どのように資産形成をしていくか考える
住宅資金・教育資金・老後資金は「人生の3大資金」ともいわれています。計画を立てやすいのは教育資金ですが、合計で1000万以上かかると思うと途方もない金額に不安を覚える人もいるでしょう。
合計の金額ではなく「月々の支出」で見れば、ハードルがグンと下がるはずです。公立・私立それぞれの年間教育費から月々の費用を割り出せば、だいたいの額がわかるでしょう。中学・高校・大学に向けての資金形成もイメージしやすくなります。
私立に進学させたい場合も同様に、早めに積み立てることがポイントです。少額でも行動に移すことで着実に目標に近づき、不安も払しょくされます。
iDeCoのメリットを知る
国民年金保険などの公的年金のほかに、私的年金といわれる「確定拠出年金」があります。企業や個人が一定額の掛け金を支払い、長期的に運用して積み立てるものです。
主に、毎月企業が従業員のために積み立てる「企業型」と、個人で積み立てる「iDeCo(イデコ)」の2種類があります。2017年以降、専業主婦も利用可能です。
所得税や住民税を支払っていない専業主婦の場合は拠出時の節税効果を得られませんが、運用時や給付時における税制優遇措置を受けられます。
iDeCoは、一時金として受け取れば「退職所得」の扱いになり「退職所得控除」の適用対象です。年金として受け取れば「雑所得」として「公的年金等控除」を受けられます。
専業主婦は退職金がなく公的年金の額が少額とあり、課税されずに受け取れる可能性も高いでしょう。
まとめ
専業主婦は子どもとじっくり向き合う時間を確保でき、夫の扶養に入ることで年金を受け取れるなどのメリットもあります。しかし一方で、社会復帰や将来への不安を抱いている人がたくさんいるのも事実です。
働きに出たくなったときは、ライフスタイルに適した勤務時間や雇用形態などを基準とします。社会保険も意識することが大切です。お金に関する知識を身につければ自信も生まれ、未来の幸せにも大きく近づくでしょう。
