加熱式加湿器とは
空気が乾燥する秋・冬に大活躍するのが「加熱式加湿器」です。広く普及しているのはスチーム式と呼ばれるタイプですが、近年は様々なタイプが販売されています。

広く知られているのはスチーム式
「加熱式加湿器」といえば一般的に「スチーム式加湿器」を指します。加湿器の中では最も広く普及しており、シンプルな構造で手入れが簡単なのが特徴です。
スチーム式は、ヒーターでタンク内の水を沸騰させ、蒸気を発生させます。加熱される過程でカビや細菌などは除去されるため、加湿器から噴出される蒸気は衛生的です。
超音波式加湿器や気化式加湿器は気温が低いほど加湿能力が低下する傾向がありますが、ヒーターで加熱するスチーム式は気温の高低にかかわらず、安定した加湿能力をキープしてくれるのがメリットです。
ただ、ほかの加湿器に比べ、電気代がかさむ傾向があります。また、吹き出し口から熱い蒸気が噴出するため、小さな子どもがいる家庭では設置場所に十分な注意が必要です。
気化式や超音波式も
近年は、気化式加湿器や超音波加湿器など「加熱式加湿器以外のタイプ」も登場しています。
「気化式」は、水を含ませたフィルターにファンで風を当て、気化させながら加湿する仕組みです。加熱をしないため蒸気の温度は上がりません。
電気代が安く、やけどの心配がないのメリットですが、フィルターの掃除を定期的に行わなければならない点や加湿能力は劣る点がデメリットです。
「超音波式」はタンクに入れた水を超音波の振動によって細かい粒子にします。細かい霧状の蒸気が噴射されるため加湿能力が高いのが特徴です。
水が加熱されないため、タンク内を常に衛生的に保つ必要があるでしょう。
加熱式加湿器の選び方
加熱式加湿器を選ぶ際は「加湿能力」や「機能性の高さ」をチェックしましょう。ほかの加湿器に比べて「消費電力」が高いため、1カ月当たりの電気代がどのくらいになるかも計算しておくと安心です。

部屋の広さに合わせて
加湿器はスペースの広さに合ったものを選びましょう。1~3畳用、4~6畳用といった風に、本体には「適用畳数」が記載されています。
注意したいのが、同じ畳数の部屋でも「木造の和室」と「プレハブの洋室」とでは必要とする加湿能力が異なる点です。
和室の場合、畳や壁が湿気を吸収してしまうため、洋室よりも高い加湿能力を持つ製品が必要です。
また、マンションのような高気密な住宅は加湿能力が高すぎるものを使用すると、湿気が多くなり結露ができてしまうケースもあります。
部屋の広さと構造から判断し、湿度がしっかり保てるものを選びましょう。
アロマなど加湿以外の機能
蒸気を出すだけのシンプルな加湿器もあれば、加湿以外の便利機能を備えたものもあります。
就寝中も加湿器を使用したいという人は「タイマー機能」を備えたタイプを選びましょう。
部屋の温度・湿度を感知して、運転モードの自動切り替えを行う「自動運転機能付き」の加湿器なら、つけっぱなしにしていても、湿度が上がりすぎることがありません。
赤ちゃんや小さな子どもがいる家庭では、眠りの妨げにならない「静音設計」のものや「チャイルドロック」が搭載されているタイプがおすすめです。
アロマ成分を蒸気に乗せて噴出させる「アロマタイプ」の加湿器は、心地よい香りが部屋に広がるとあって、女性を中心に人気です。
電気代やランニングコストも考えよう
機能面やデザイン性だけでなく「電気代」や「ランニングコスト」がどれだけかかるかも考慮しなければなりません。
スチーム式は電熱装置で水を100度以上にするため、ほかのタイプよりも消費電力が高くなる傾向があります。
メーカーや機種によっても異なりますが、消費電力は130~300W前後です。1kWh当たり27円とすると、1時間当たり約3.5~8円の計算になります。
部屋の大きさに対して加湿能力が高すぎるものを使うとコストがかさんでしまう点に注意しましょう。
電気代を抑えたい人は「省エネ運転」など、電気代を抑えるモードを搭載したタイプがおすすめです。できるだけ手入れが簡単で、メンテナンスにお金がかからないものを選ぶようにしましょう。
