読み聞かせに期待できる効果は?

普段、どんなに忙しいママ・パパでも1日10~15分程度なら時間を確保できるのではないでしょうか。そのくらいの時間があれば読み聞かせは十分に可能です。食事の後や就寝前などにちょっとした時間のやりくりで、読み聞かせの時間を確保して、子どもの想像力や感受性を育んでみてはいかがでしょう。
親子間の最高のコミュニケーションに
読み聞かせは親と子の貴重なコミュニケーションやスキンシップの場であり、絆を強める絶好の機会です。
親との触れ合いのなかで、膝の上に乗ったりして読み聞かせをすると、子どもは自分が愛されていることを理解します。パパ・ママも子どもの温もりでリラックスし、1日の疲れやストレスが和らぐように感じるでしょう。
読み聞かせによる親子のスキンシップは互いの信頼感を強め、良好な親子関係の構築の大きな力になってくれます。同じテーマを共有ですることで、会話にもつながるでしょう。
特に、小学校に上がると親子で一緒に過ごす時間がこれまでよりも短くなります。1日数分であっても読み聞かせの時間があれば、親子にとって貴重なコミュニケーションのひとときになるかもしれません。
想像力・感情を豊かにする
絵本のなかで、子どもたちは様々な感情を体験します。楽しい・うれしいというポジティブな感情はもちろん、悲しい・怖い・かわいそう・ドキドキするなど、普段あまり体験したことのない気持ちも湧いてくるはずです。
幼少期にたくさんの絵本に触れた子どもは、感情や感受性が豊かになると言われますので、他人の気持ちが分かる優しさを身につけてくれるでしょう。
ストーリーが映像化されたTVアニメでは子どもの想像力は磨かれませんが、聴覚を主体として情景を思い浮かべる読み聞かせは子どもの「想像力」を養います。想像力の豊かさは、学校や社会に出たときにも役立つはずです。
語彙力を伸ばす効果も期待
人の語彙力は幼児期や児童期にどれくらい多くの言葉に触れたかによって決まると言われています。日々の絵本の読み聞かせは「語彙力」を伸ばす手助けにもなるのです。
赤ちゃんのうちは、言葉はほとんど理解できませんが、赤ちゃんの脳は毎日ものすごいスピードで成長していますので、繰り返し読み聞かせをしているうちに徐々に意味がつかめるようになります。
語彙力は、読む・話す・聞く・書くなど、様々な能力の基礎になるものです。語彙力が増えると自分の感情や考えを相手に伝えられますし、他者とのコミュニケーションも円滑になります。
読み聞かせる絵本はどう選べばよいの?

まっさらな子どもの心や脳は、スポンジのようにいろいろなものを吸収します。幼児期や児童期には良い絵本をたくさん読んであげたいと思うのが親心でしょう。
読み聞かせの絵本を選ぶときは、親が一方的に押し付けないようにして「子どもの年齢」と「子どもの興味」を優先するのがポイントです。
年齢に合わせた本を
絵本は、子どもの年齢に合った1冊を選びましょう。1~2歳までは、本を読んであげるというよりも「言葉を聞かせること」が目的になるでしょう。「音のリズム」や「響き」が楽しめる絵本を選ぶのがおすすめです。
2~3歳になると、短いストーリーが理解できるようになります。日常生活を題材にした絵本や簡単な昔話絵本などにも興味を持ち始めるため、子どものペースに合わせて読んであげたいところです。
3歳以上になると、言葉の理解度が飛躍的に上がり、読みたい本を自分からリクエストをするようになります。興味の幅を広げてあげるつもりで、好きな本を選ばせましょう。
幼稚園や小学校に入った後は、絵が少ない本を読み聞かせることで「想像力」が育まれます。
子どもが面白いと思えるものが一番
「語彙力を増やしたい」「表現力を伸ばしたい」など、大人の思惑は様々ですが、子どもと大人が読みたい本には差があります。
興味のない本を押し付けられれば、お勉強感が出てしまい、読み聞かせはもちろん、本自体に興味がなくなってしまうことも考えられます。大切なのは「子どもが読みたい本を選んであげること」です。
特に、3歳ごろになると、好みがはっきりしてきて「キャラクターの絵が描いてあるものがいい」「これは読みたくない」と意思表示をするようになります。
あれはダメ、これはダメと言わず、一緒に本を選ぶなどして、子どもの意思を尊重してあげましょう。
