妻と夫の関係に何が!? 産後クライシス対策【ギャップ編】

妻と夫の関係に何が!? 産後クライシス対策【ギャップ編】

ライフスタイルはそれぞれ! 「私は私」で開き直る

平成9(1997)年以降、共働き世帯の割合が専業主婦世帯を上回りました(※1)。女性には職業役割や母親役割、妻役割、社会役割(地域や学校の活動)、子役割(介護、親戚付き合い)など、たくさんの役割があります。

「多重な役割があるほうが生活の満足度が上がる」という人もいれば、多重な役割ゆえに時間の余裕がなかったり、いずれかの役割がうまくいかなかったりすることで、母親役割としての育児にもストレスがかかることがあります。

周囲から得られるサポートはどれくらいでしょうか? 「ある程度は望む形で得られる」、「望む形ではないけれど妥協しながら得られる」、「残念ながらほぼ得られない」…人それぞれです。

【周囲のサポート資源】×【子どもの特徴】×【きょうだいの数】×【ママの特徴】×【理想や価値観】×【ライフスタイル】と、この回でお話ししただけでもこれだけ多くの変数が存在しています。このため、それぞれの夫婦や家庭にあわせた夫婦事情、子育て事情があるといえます。

ご近所の家庭やママがどんなにうまくいっているように見えても、外に見せている面はほんの一部です。「我が家は我が家」として、ママ自身が「こうありたい」価値観と我が家の事情をすりあわせて、今の現実的な状況に落ち着かせる。そんな心の整理や作業が必要です。

人間関係の不和は、当事者と周囲の心を消耗させます。親戚や家族との対立はなんとか避けつつも、どこか心の中では「私は私」「私たちは私たち」「我が家は我が家」と開き直ることも、大切な処世術です。

次回は引き続き、親役割達成感や生活満足度など心の健康度を上げていくポイントとなる「コンパッション」について取り上げます。

<出典>
※1 「労働力調査」総務省統計局

妻と夫の関係に何が!? 産後クライシス対策【ギャップ編】

■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。

この記事を執筆・監修した人

石橋 麻衣子(筆名:やまもとこも)

<公認心理師・臨床心理士・キャリアコンサルタント> 10代の子の母。一般企業で20年勤務後キャリアチェンジし、現在は公的機関での教育相談、スクールカウンセラー、精神科クリニックで心理検査やカウンセリングに従事しています。自身の心身の状態が子どもや家族の成長にとても大事だと強く実感しています。自分も他人も大事にするコミュニケーションでよりよい関係や笑顔が生まれますように。