多くを察して欲しい妻と、言葉通りの行動しかしない夫
男性に多いと思われる<言葉に厳密で理論的にシステマティックに考えるタイプ>は、「ワインを買ってきて」と言われるとその言葉通り、ワインだけを買ってくることが多いでしょう。一方で、女性に多いと思われる<人間関係を深めることに価値観を置くタイプ>は、「ワインを買ってきて」という言葉に「おつまみやデザートなどと一緒にあなたと楽しみたいな」といった言外の意味や背景となる気持ちがあるのかもしれません。
妻は夫がこのような意味や背景を察してくれることを「夫が妻との関係を大事にしている証」と感じます。言葉通りにワインだけ買ってきた夫に、がっかりしたり怒ったりしてしまうのは、女性ならではの状況かもしれません。逆に考えると、女性の習慣が察することとすれば、相手に確認せず一方的な解釈によって腹を立て、悲しんでいる場合があります。
たとえば、妻が夫に「帰りに牛乳を買ってきてくれる」と頼んだら、夫が「えっ」と反応したとしましょう。妻はこれについて、「めんどくさいってことね」「買い物をしているのをご近所さんに見られるのが嫌なのかしら」「私が買い忘れたのをなんで俺がと思っているのね」「重いからダメなのかしら」と思いを巡らせます。
ですが、夫は本当のところ、なぜ「えっ」と言ったのでしょう? 夫とコミュニケーションをとらなくては、その真意はわかりません。妻の憶測で「じゃ、もう買ってこなくていいわ」と会話を終わらせてしまうようなことがないように気をつけましょう。
男女で発達の過程などが異なることから、コミュニケーション法もそもそも異なるという前提をマインドセットすることで、2人のすれ違いやこぜりあいは小さく済むかもしれませんね。不和がない、つまり自然でニュートラルである状況は、我慢するストレスや頑張るストレスを増やさないだけでなく、新しい前向きな力を生み出してくれます。
次回は、夫婦のコミュニケーションの土台となる「男女の違いに合わせたわかりやすい伝え方」「相手が言われたい言葉での会話」着目していきます。

