妻ばかり…家事分担の不満を解決! 夫婦の絆を強くする方法とは

妻ばかり…家事分担の不満を解決! 夫婦の絆を強くする方法とは

裏切られた気持ちに手当をしていく

これまで話してきた夫婦の土台のこともそうですが、私たちは結婚や子育てについて、様々な期待を相手にもっていました。この期待がそもそも現実的ではなく楽観的なものだった場合、相手をさらに非難しやすくなります。「あなたが悪い」「お前が悪い」こうなってしまうと、毎日お互いがお互いの攻撃の矢面にたち、結婚生活自体のストレスが大きなものとなってしまいます。

妻のストレスには、二人の関係がくずれて精神的な支えがないという「心理的なストレス」の他に、そもそも家事分担の多くを担当しており、睡眠不足や疲労など「肉体的なストレス」もベースにあるということを多くの方に認識してもらいたいです。

母親としての適性や満足など理想のイメージとギャップ、夫のコミュニケーションのコツ、夫婦をワンチームとして考え対話していくことについて、摩擦管理方法やご自身の情緒傾向など、これまで様々な視点から夫婦の絆を強くする方法をみてきました。今夫婦で陥っている状況が何からきているのか、いろいろな視点から考えることができます。こんがらがってしまった糸をほどいていく作業のように、夫婦の関係の改善の道は、地道ではてしなく遠く感じられるのではないでしょうか。

ですが、お互いが「子どもの成長を一緒に支援する」といったことにおいては、期待や役割が一致している領域かもしれませんね。子どもがよりよいコミュニケーションや問題解決を学んでいく上で、夫婦のコミュニケーションや問題解決の方法がモデルとなります。今の私たちの方法は、子どもに教えたいやり方でしょうか?

もし価値観や意見が一致しないときや自分の欲求と相手の欲求が違うとき、どんな風に話し合っていくのか、大声でわめいたり相手を非難したりする方法が有効なのか、よく考えてみると少し紐解けてきませんか?

次世代の子どもに「生きるために何を伝えたいか対話する」ことが、夫婦の絆やあり方、コミュニケーション、問題解決の仕方を改善する道なのかもしれません。

すぐに解決できないことは、ゆっくり構えて対応するということも必要です。少しずつ前に進んで家族の絆を深めていきましょう。


<出典>
※1 Belsky, J., Kelly, J. (1994) The Transition to Parenthood. New York, Delacorte Press.(ジェイ・ベルスキー, ジョン・ケリー(1995)子供を持つと夫婦に何が起こるか,草思社)

妻ばかり…家事分担の不満を解決! 夫婦の絆を強くする方法とは

■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。

この記事を執筆・監修した人

石橋 麻衣子(筆名:やまもとこも)

<公認心理師・臨床心理士・キャリアコンサルタント> 10代の子の母。一般企業で20年勤務後キャリアチェンジし、現在は公的機関での教育相談、スクールカウンセラー、精神科クリニックで心理検査やカウンセリングに従事しています。自身の心身の状態が子どもや家族の成長にとても大事だと強く実感しています。自分も他人も大事にするコミュニケーションでよりよい関係や笑顔が生まれますように。