交流分析の人生態度
人生態度とは、自己や他者に対する基本的な態度のことを指します。
交流分析では、人は一人ひとりだれでも「OKである」ということ、私もあなたも価値があり、重要であり、尊厳があるということを大前提としています。「あなたのすることが好きでないことがあったり、受け入れられないことが時々あったりするかもしれない、あなたの行動がOKでないにしても私は、あなたがあなたであることを受け入れます、あなたの人間としての存在は、私にとってOKなのです」こんな哲学にあふれています。
そして誰もが考える能力をもっていて、自分自身の人生の主役(主体)であり、自分のことは自分できめて生きていくこができると考えています。
幼少期から親から受け取ったメッセージは、虐待ほど強烈なものでなくても、まだ発達途中の子どもからすると、随分と恐ろしいものに思えたりするものです。また言葉だけでなく、非言語な情報も子どもはしっかり察知しています。このため、子どもなりの少ない情報と認識で、親や世の中についてとらえた世界観をつくっていきます。自分はこうやって世界をとらえ生きていこうという子どもなりの大きな決断やファンタジーが、大人になった今も続いていることがあります。あなたの人生態度はどうでしょう?
自己肯定・他者否定「私はOK、あなたはOKでない」
自己否定・他者肯定「私はOKでない、あなたはOK」
支配的な親からは「私はOK、あなたはOKでない」こんなメッセージを受け取ってきて、自分も「私はOKでない、あなたはOK」を再現しているかもしれません。親がいつも子どもの言い分を通し「私はOKでない、あなたはOK」というメッセージを受け取ってきたなら、「私はOK、あなたはOKでない」を再現しているかもしれません。または、親の態度をとりいれ、同じような振る舞いをしているかもしれません。
妻から夫への声掛けや夫から妻への声掛けや態度が、一方的で以下の通りになっていませんか?
自他否定「私はOKでない、あなたもOKでない」
この態度だと随分と生きづらさをかかえてきたかもしれません。
自他肯定「私はOK、あなたもOK」
機能的なコミュニケーションを生み出し、健康的な状態をたもっていくには、こんな人生態度が助けとなります。
夫婦の数だけ夫婦が在り、「どんな距離感で暮らしていくかも夫婦それぞれです。でも、一度は最愛の人と認め合ってご縁のあったパートナーです。少なくとも今より健康的なコミュニケーションでお互いが良い状態になる方向に改善していくために、交流分析の中の知っておくと良いエッセンスを今後お伝えしていきたいと思います。
交流分析は、精神科医エリック・バーンによって提唱された理論です。過去の体験や記憶がストックされ、どのような自我状態になりやすいか構造面を考え、どのようなコミュニケーションや行動をとっているのか機能面を読み解いていきます。
次回は、構造と機能を見ていく上で欠かせない、交流分析の自我状態を表すPACモデルについてみていきます。
PACはParentの「P」Adultの「A」Childの「C」それぞれ頭文字をとっています。自我状態は、人と関わるときの思考・感情・行動のクセや傾向のようなものです。
参考文献:
イアン・スチュアート ヴァン・ジョインズ「TA TODAY最新・交流分析入門」実務教育出版

