過保護より過干渉がよくない?

「過保護」と似たような言葉に「過干渉」があります。過干渉になり過ぎると子どもに影響があるといわれますが、何が問題なのでしょうか。
「過保護」との意味の違いや、子どもに現れやすい特徴も見ていきましょう。
「過保護」と「過干渉」の違い
「過干渉」は、子どもの行動・言動を親が管理しようとする状態です。
子どもが嫌がっていても親の意見を押し付け「自分の思い通りに育ってほしい」という気持ちが強いのです。
子どもが自立しようとしていても「あれはいけない」「これもいけない」と選択肢を狭め、子どもの意思を無視した状態を指します。
明らかに悪いことや間違ったことの場合は指導も必要ですが、子どもの考えを完全に否定するのもよくないことといえるでしょう。
過干渉で育った子どもの特徴
親の意見と子どもの希望が食い違っていると、「過干渉」は子どもに悪い影響を与える場合があります。
子どもは「自分の意見がすべて否定され、親の希望通りにしか動けない」と判断すると、ストレスがたまってしまうのです。
また、子どもは自分の意見が通らない場合、諦めてやる気がなくなってしまったり、嫌がって反発ししたりして、反抗することもあるでしょう。
仮に、子ども側が特に問題と感じていなくても、親のいうことに従うだけでは自主性が生まれません。中には、自分の意見が分からなくなる子どももいるでしょう。
子どもと適度な距離感を保つために

子どもとちょうどよい距離感を保つことができると、お互いに心地よい関係でいられます。
子どもに対して「過保護になり過ぎているかもしれない」と感じるときは、少し距離を置くための行動を実践してみましょう。
子どもの失敗を受け入れよう
生きていく上で、失敗はつきものです。子どものうちは親が助けてあげられますが、独り立ちすると自分で何とかしなければなりません。
過保護になり過ぎるのを避けるには、「子どもが失敗することを心配し過ぎず、見守る」のもひとつの方法です。
危険な作業や失敗できない大切なイベントではなく、失敗しても問題ないときはすぐに口を出さずに待ってみましょう。
そうすれば何度か失敗しても、成功するまで続ける粘り強さを身に付けられます。どうすれば成功するのか、子ども自身が学ぶチャンスにもなるでしょう。
自分の気持ちと向き合ってみよう
子どもとの距離を考えるときに大切なのは、親である「自分の気持ち」です。
怒りっぽくなったり不安定になったりするのは、子どもとの距離感が合っていない可能性があります。
見ていてイライラしてしまうときこそ、少し距離をとって見守るようにしてみましょう。少し離れて心にゆとりを持たせるだけで、子どもの何気ない言葉に慌てる必要がなくなります。
親子の関係を良好に保つためにも、近づき過ぎず、遠過ぎずの距離を心がけましょう。
子育て四訓を実践してみよう
子育て四訓は、時期によってどの程度の距離を保つのがよいかを示したアドバイスです。参考にすると、子離れの時期も判断しやすくなるでしょう。
例えば、「乳児はしっかり肌を離すな」といわれるとおり、赤ちゃんのころは抱きしめて側にいることが大切です。
幼児期には「幼児は肌を離せ、手を離すな」といわれます。ずっと抱っこをしてかわいがるのではなく、子どもが自分で歩き出すのを隣で見守る時期です。
子どもが少し大きくなると、アドバイスの内容は「少年は手を離せ、目を離すな」に変わります。
自立し始めた子どもは、親から少し離れたがるでしょう。しかし、トラブルやSOSを見逃さないよう、目を離さずにいる必要があります。
大人になると、完全な自立の時期です。「青年は目を離せ、心を離すな」のアドバイス通り、子どもの行動は気にせず、心だけがつながっていればよいという気持ちを持ちましょう。
