主な子ども保険の種類

保険にはたくさんの種類がありますが、「子どもに必要な保険」というと数が絞られてきます。
一部の保険については、加入せずに親の生命保険の「特約」でカバーする手もあるでしょう。
まずは、子どもが入れる保険にはどのような種類があるのかを解説します。
病気やケガに「医療保険」
「医療保険」は病気・ケガによる入院や手術に備えた保険です。保険内容によって「入院給付金」「手術給付金」などが受け取れます。
各自治体では、医療費の自己負担額を助成する「医療費助成制度 」を導入しているため、中学生ごろまでは医療費が高額になるケースは少ないでしょう。
ただ、入院中の「食事代」やベッドを個室にした際の「差額ベッド代」など、公的医療制度ではまかなえない出費も多くあります。
医療保険は助成対象外の費用をカバーしてくれるため、いざというときの保護者の金銭的負担が少なくなるでしょう。
また、学資保険や生命保険には、主契約に任意でプラスできる「医療特約」というものがあります。
既に学資保険に加入している場合は、新たに医療保険に加入するのではなく、医療特約を付ける方法もあります。
ケガが対象「傷害保険」
「傷害保険」はケガによる入院や通院を補償する保険です。「ケガもカバーできる医療保険に入っていれば傷害保険は必要あるの?」と思う人もいるでしょう。
医療保険で保険金が下りるのは、病気・ケガで「入院」「手術」をした場合のみで、基本的に「通院」は対象外です。
一方、傷害保険は通院1日目から保険金が支払われます。スポーツでの骨折ややけどなど、入院には至らないケガを幅広くカバーできるのがメリットです。
スポーツ少年団や部活で子どもがスポーツを始めたとき、医療保険の上乗せとして加入するのもよいでしょう。
事故に備えて「個人賠償責任保険」
「個人賠償責任保険」は子どもが他人の身体や財物に損害を与え「賠償責任」が発生した場合に下りる保険です。
「自転車の乗車中に歩行者にぶつかってケガをさせた」「石投げをしていて他人の家のガラス窓を割った」「陳列棚の商品を落としてしまった」などのケースが対象です。
子どもが事故を起こしたときは、子どもを監督する義務のある親が損害賠償責任を負うのが一般的です。
賠償額は事故によって異なりますが、多額になるケースも多いです。子どもがある程度の年齢に達したら、加入するのが安心でしょう。
火災保険や自動車保険に特約として付加されている場合は加入の必要はありません。両親が入っている保険の内容も確認しておくとよいでしょう。
将来のために「学資保険」
医療保険や傷害保険が、子どもの万が一のケガや病気に備える保険なのに対し、「学資保険」は将来に必要な教育資金を積み立てる「貯蓄型」です。
毎月決まった掛け金を支払うことで、子どもの年齢や進学時期に応じて「進学準備金」や「満期学資金」などが受け取れます。
契約内容にもよりますが、契約者(親)が死亡した場合、それ以降の保険料は免除され、保険料負担なしに同額の満期金を受け取れるのが特徴です。
「医療保険の特約」を付加すれば貯蓄と保障の両方がカバーできますが、医療保障を充実させすぎると、元割れしてしまう点にも注意しましょう。
保険の種類をチェック

多くの保険は「保障型」「貯蓄型」「バランス型」の3種類に分類されます。
それぞれにはどんな特徴やメリットがあるのでしょうか?子どもの将来を見据えながら、ニーズに合ったタイプを選びましょう。
リスクに備えられる「保障型」
保障型の代表格には「傷害保険」「医療保険」「生命保険」「個人賠償責任保険」などが挙げられます。
保険の主な目的は「ケガや病気などのリスクに備えること」で、貯蓄性はあまり高くはありません。
医療保険の場合、主契約は入院や手術に対する保障ですが、これに「先進医療」や「通院」などの特約がプラスできます。
特約を増やせばより多くのリスクに備えられる一方、保険料が高くなることも覚えておきましょう。
返戻率が高い「貯蓄型」
支払った保険金の総額に対し、満期保険金や解約返戻金として将来受け取れる金額の割合を「返戻率(へんれいりつ)」といいます。
「貯蓄型」は返戻率が高く、万が一のときの保障はもちろん、貯蓄の用途にも活用できるのが特徴です。
毎月の保険料という形で納めれば、貯金が苦手な人でも確実に将来の備えができるでしょう。
代表的な貯蓄型には「学資保険」があります。
「保険料を支払う期間」や「お金の受け取り方」によって返戻率が左右されるため、保険を選ぶときは返戻率の高さだけを見ずに、運用期間もしっかり考慮しましょう。
迷ったら「バランス型」
数ある子ども保険の中には、貯蓄型と保障型の中間にあたる「バランス型」もあります。
保険会社によっても異なりますが、保障は基本的な医療保険のみで、返戻率は100%前後のものが多いようです。
国や自治体の医療制度がいくら充実しているといっても「公的な制度だけではなんとなく不安…」というケースもあるでしょう。そんなとき、バランス型は心強い味方になってくれます。
貯蓄型の学資保険に「医療特約」を付加して、貯蓄と保障のバランスを取る方法もありますが、主契約を解約すれば、特約もそこで終了してしまう点には注意が必要です。
