ワンオペとは?

最近子育て関連の情報でよく耳にするため、意味を理解しないまま「ワンオペ」という言葉を使っている人もいるかもしれません。改めて自分の置かれている現状と見比べながら、どんな状態を意味するのか見てみましょう。
1人ですべての作業をこなすこと
飲食業界などで、1人ですべての作業をこなさなければならない状況を表現した「ワンオペレーション」という和製英語が、いつしか省略されて「ワンオペ」となってよく使われるようになりました。
この言葉が「母親が1人で育児のすべてを行う」という現代の日本の育児環境に当てはまることから、子育てにおいてもよく使われるようになったのです。
昭和時代の子育ては、母親のほか同居している義両親や近所の人も参加するというものでした。しかし、現代では核家族化や近隣関係の希薄化が進み、誰にも頼れない状況で1人で育児をすることが当たり前になってきています。
1人で育児をしているママは、何をするにしても子どもありきで自由に動くことが難しく、子育て=幸せと思い描いていた構図が崩れ、悩む人が多いようです。
ワンオぺ育児になりやすい状況

各家庭で家族構成や夫婦の労働環境などは違うので、子育てで悩まないママももちろんいるでしょう。しかし、1人きりで育児のすべてを負担し、苦しい状況に陥るママも近年増加傾向です。その原因はどこにあるのでしょうか。
夫が仕事で家にいない
「働き方改革」という言葉が叫ばれている状況下であっても、いまだ昭和の高度経済成長時代の名残なのか、長時間働くことが美学とされる職場もあるでしょう。
そのため、子どもが起きている時間帯に夫が帰宅できない家庭も多くあります。なかには平日は家族でまったく顔を合わさないという人もいるようです。
子どもは予想を超えた動きをするため、ママ1人で見ているのはとても大変です。しかし、夫は子どもの寝ている顔しか見ておらず、昼間の元気さが想像できません。妻が子育ての苦労を訴えても、妻の悩みを理解できない傾向があります。
夫が家事や育児に無関心
男女平等・女性の社会進出というスローガンが打ち出されていても、「男は外で仕事、女は家で家事と子育て」という固定観念が、日本ではまだ色濃く残っています。
就労していても、夫の転勤や希望などから家庭第一で仕事を辞めざるを得ない妻も多くいます。やはり、育児を含めた家の中のことは妻に任せるのが当たり前と考える男性もいるようです。
また、夫からしても仕事で疲れていて育児まで気が回らなかったり、具体的に何を手伝ったらよいのかわからなかったりして、結局育児に無関心な態度を取ってしまうこともあるかもしれません。
周りに頼れる人がいない
昔は子どもの両親だけでなく、祖父母や親戚などと一緒に暮らすのが当たり前の文化でした。近隣住民との距離も近く、1家族というより「地域で子どもを見守り育てる」という風潮もありました。
しかし、今は生まれ故郷から離れた地で居を構える夫婦も多く、家庭によってはそれぞれの実家が遠方になり、気軽に頼れないという状況になりやすいでしょう。また、プライバシーの意識が強くなったことで、隣近所との交流も希薄になっています。
こうしたことから、いざというときに頼れる大人が誰もいなくなり、結果、ママが1人で抱え込まなければならなくなってしまうのです。
