つらいと感じるのはどんなとき?

子育てという、1人の人間を大人にする大仕事の責任は図り知れず、また結果もすぐに見えづらいものです。多くのママが育児でマイナスな気持ちを抱えてしまうのはどんなときが多いのか見てみましょう。
心の余裕がなくなったとき
子どもは自分とは別の個体なので何を考えているのかわからず、何をするにしても大人が付く必要があります。とくに生まれたてから、言葉や物事の理解がある程度できるようになる3歳くらいまでは、常に目を光らせて一緒に行動する場面が多いでしょう。
最初はそれが幸せに思えても、これまで自分のタイミングで好きなようにしていた食事やトイレでさえも自由にできなくなってしまいます。「1分だけ」と思っても子どもは大人の予想を超える行動を起こすため、その場を離れることが難しいのです。
こうした行動の制限に、子どもに何か起きたらすべて自分の責任になってしまうという重圧が重なり、どんどん精神的に追い詰められてしまうママは少なくありません。
体力の限界を感じたとき
生まれてすぐから半年くらいまで、子どもは体が小さい分、栄養補給も小分けで行うため、頻繁に授乳をする必要があります。とくに、夜中に頻繁に起きて授乳をすることは、ママにとって大きな負担です。
ここで誰か別の大人がいて、代わりにミルクをあげたりお世話をしてくれたりすれば、ママはもっと睡眠時間をつくれますが、ワンオペの場合はできません。
産後の体は満身創痍で、さらに日々育児で体力は消耗しているのに回復する機会がなければ、体調を崩しやすくなったり体に不調が表れたりするでしょう。
どんなに丈夫な人であっても、そのような状態が続けばいつしか体力の限界が訪れます。
育児に心配や不安があるとき
とくに初めて育児をする人は、我が子の成長が周りと比べてどうかをとても気にする傾向があります。育児書やインターネットの情報では「生後◯カ月では〇〇をするようになる」と書いてあるのに、できないと不安を感じてしまうのです。
また、ケガや発熱など、小さい間は何かしら体に関するトラブルが日常茶飯事で起こり得ます。まだ子育てに不慣れだと、発熱やケガの度に自分のせいにしてしまうママもいるでしょう。
成長するにつれ体が丈夫になり、病院に頼る機会が減っても、子どもが幼稚園や小学校へ行くようになれば、また別の悩みも発生します。成績や周りの友だち関係など、自分のこと以上に気に病む人は少なくありません。
こういうときにすぐ相談できる相手や助けてくれる存在があれば心強いですが、ワンオペ育児ではすべてを1人で抱え込んでしまい、どんどんマイナスの方へ思考が傾いてしまいがちです。
ワンオペ育児を乗り切る方法

夫の仕事や家族のあり方から、ワンオペ育児になってしまう家庭がなくならないのが日本の現状です。すぐに体制を変えられなくても、上手く乗り切れる方法はあります。少しでも肩の荷が軽くなるような対策を紹介します。
完璧を求めない
真面目で勤勉というイメージが強い日本人ですが、その素質から周りの評価や「こうあるべき」という概念にとらわれてしまう人も多くいます。
自分の中で限界を感じたら、絶対にやらなければならないことと、すぐにやらなくても大丈夫なことを分けてみましょう。子どもが小さい間は、とにかく子どもが健康に成長してくれることが一番のタスクです。
お昼寝の間にこれをやろうと張り切るのもよいですが、ふと手を止めて、今それをしないと一大事なのか考えてみます。やらなくても大丈夫と少しでも感じたら、一緒に昼寝してしまうか、好きな番組を観るなどリラックスタイムに変えてしまいましょう。
毎日部屋を掃除しなくても、洗濯物をきちんとたたまなくても、ご飯が手抜きでも、子どもが無事に生活できていれば何の問題もありません。
夫と分担について話し合う
夫に家事や育児を分担してもらうことを言い出しづらい人もいるかもしれません。しかし2人の子どもですので、夫にも育てる義務があります。
なかなか育児の大変さが伝わらないようであれば、日常こなしている仕事の内容をすべて紙に書き出したり、スマホのメモに打ち出したりして夫に見せてみましょう。その仕事量の多さや大変さを「見える化」することで、少しは理解が得られるはずです。
それでもいまいち伝わらないようであれば、半日だけでもすべて夫へ丸投げして、日常のワンオペ育児を体験してもらいましょう。きっと外で仕事していることがどんなに楽なことかわかるはずです。
大変さを理解してもらったらお互いに何をするかを話し合い、育児体制を整え直せばOKです。
気持ちを話せる相手を見つける
人は自分のつらい気持ちや思いを言葉にして誰かに打ち明けることで、解決はしなくても心が軽くなるものです。パートナーに話して共感してもらうのが理想的ですが、やはり男女間での価値観の差もあるため、話しても逆効果になる場合もあります。
こうした場合、同性の子育て経験者か、同じような境遇の人と悩みを共有するのがおすすめです。実家の母親や姉妹や、子どもをもつ学生時代からの友だちなどと連絡を取れるようにしておきましょう。
子どもの遊び場を通してできたママ友とも、子育ての話をすることでさらに仲良くなれるかもしれません。子どもがいくつになっても悩みは尽きないものなので、抱え込まずに気持ちを打ち明けられる人が1人でもいれば、心強くいられるはずです。
