いつまで新生児と呼ぶの?

子どもは新生児・乳児・幼児・児童など、成長するにしたがって様々な呼び名に変化します。しかしながら、それぞれいつからいつまでの呼び名か即答できる人は少ないのではないでしょうか?
特に、新生児の期間は、意識していなければあっという間に過ぎてしまいます。新生児と呼ばれる期間はいつまでなのか、ここではっきり覚えておきましょう。
生後28日未満まで
母子健康手帳によると、赤ちゃんが生まれた当日は「生後0日」とされています。「母子保健法」という法律の定義上、そこから数えて28日までが新生児と呼ばれる期間です。
新生児の期間が過ぎれば、1歳を迎えるまでの赤ちゃんは「乳児」と呼ばれるようになります。
体の成長と特徴

赤ちゃんを新生児と呼ぶ期間についてわかったところで、次は具体的に新生児の赤ちゃんはどのような特徴を備えているかを知っておきましょう。新生児の赤ちゃんに起こる、体の成長について解説します。
視力
新生児の視力は、0.01~0.02程度です。距離にすると、赤ちゃんは顔から20~30cmまでのものであれば見えているということになります。とはいえ、焦点を合わせる力がまだ発達していないため、離れているとぼんやりとしか認識できません。
何か赤ちゃんにしてみせたり、表情を引き出したりしたい場合は、できるだけ顔を近づけるとよいでしょう。特に、人の顔は、新生児の赤ちゃんが興味を示しやすい対象です。
ちなみに、新生児の目はまだ色を識別できず、黒・白・グレーしか感じ取ることができません。
耳や鼻
赤ちゃんの耳は成長が早く、妊娠20~26週ごろ(妊娠6~7カ月)にはすでにママの心臓の鼓動や血液の循環する音を聞きとっています。妊娠8カ月もすると、外の世界の音も聞こえるようになるのです。
新生児には、ゆっくり、かつ抑揚をつけることを意識しながら高いトーンで話しかけると、よく反応を示します。
赤ちゃんは、鼻の成長スピードも速いです。嗅ぎなれた母乳やママの匂いはきちんと嗅ぎ分けられます。
新生児は口呼吸が苦手で、主に鼻呼吸で空気を吸っていることを知っておきましょう。もし鼻が何らかのはずみで塞がってしまうと、十分に呼吸することができません。赤ちゃんが寝ている周りに物を置いたり、赤ちゃんの体が沈み込むような柔らかい布団で寝かせたりするのは危険です。
体温
新生児は大人よりも体温が高く、平熱は36.5~37.5度ほどです。だからといって、寒さに強いというわけではありません。体温調節機能が未発達であるため、外気温が低ければすぐ体温を奪われてしまうのです。
一方、熱を発散する力もまだ整っていないため、温めすぎて熱がこもらないように注意する必要もあります。部屋の温度や湿度は常に快適であるように気をつけつつ、薄着にも厚着にもならないよう、温度調整に気をつけましょう。
夏場は「室温25~28度・湿度60%」程度、冬場は「室温20~25度・湿度50~60%」程度で、直射日光やエアコンの冷風・温風が直接当たらないようにします。
原始反射
新生児の行動には、「原始反射」と呼ばれるものがあります。原始反射は胎児のころから備わっており、生後半年程度の短い期間にしか見られません。
原始反射のなかには、外部の音に対してビクッと反応し、その後手足をバタつかせたり、抱きつくような動作をしたりする「モロー反射」や、新生児を抱いて床に足を付けさせると歩くような動作をする「原始歩行(歩行反射)」があります。
これは、赤ちゃんの意思とは関係なく、赤ちゃんが人間として生存するために必要な行動です。なかでも、新生児の手のひらや足の裏を軽く押すと握り返してくる「手掌把握反射」は特に有名な原始反射といえます。
ほかにも、新生児の頬や口にものが触れたとき、そちらの方向に顔を向ける「口唇探索反射」や、指や乳首を口に含ませると強く規則的に吸う「吸てつ反射」は、ミルクを飲むために必要な行動といえるでしょう。
