ただ捨てるだけが断捨離じゃない

2010年度の「流行語大賞」にノミネートされたことで、世間的にもよく使われるようになった「断捨離(だんしゃり)」ですが、その本来の意味を知っている人はどのくらいいるのでしょうか?片づけを行うことで、得られる効果もあわせて解説します。
本来の意味
断捨離というワードを聞くと、ほとんどの人が「モノを捨てること」を連想します。しかし本来は、「物を持つことへの意識を改革する」考え方です。
断捨離という漢字には、1文字ずつにそれぞれ意味が込められています。
・断=不要なモノを断つ(入れない)
・捨=不要なモノを手放す(処分する)
・離=モノへの執着心(物欲)から意識を解放する
ただ捨てたりなくしたりするのではなく、モノへ固執する機会を減らし、生活するのに必要最低限の量だけで身軽に暮らすことをめざすのが目的です。
断捨離して後悔しがちなもの4つ

断捨離を行い整理された空間を見ると、達成感が得られます。しかし、それまでは気にとめず眠らせていたものでも、なくなってしまうと少なからず喪失感もあるでしょう。
「捨てなければよかった…」と思うことも珍しくありません。よくある後悔しがちなアイテムを紹介します。
手帳
近年はスマホやアプリなどでスケジュールや連絡先の管理を行うため、紙の手帳を必要とする人は少なくなってきています。現在の生活スタイルでは使う機会がないため、過去につけていた分も思い切って捨ててしまいがちです。
過去の記録や書き記していた連絡先などをすべてデータ化して残せていれば困ることは少ないですが、手帳にしか残していない情報は消えてなくなってしまいます。
また、過去の思い出を日記などで手帳に書き込んでいたのに処分してしまうと、「そのときどうしていたのか」などを思い返すことも難しくなるでしょう。
アルバム
片づけの勢いに任せて、古くなり見返す機会もなくなったアルバムや写真を処分してしまう人もいます。近年は写真をデータで残せることから、昔に比べると現像することも少なく、アナログなものが不要に感じやすい傾向です。
しかし、過去の思い出を突然ふと見返したくなったとき、なくなってしまった記録は手元にありません。大量にある写真を整理するのはよいことですが、捨てる前にしっかり見直して、本当に捨ててよいのか確認しましょう。
現物のまま残すのが好ましくないのであれば、「フィルムがなくても写真をスキャンしてデータとして残せるサービス」があるため利用してはいかがでしょうか?
本
本棚を占領し日焼けで黄ばんだ本は、スッキリしたいと思ったときに見ると、処分の対象になりやすいアイテムです。電子書籍の普及から紙の書籍を手に取らない人も増えており、昔ながらの分厚い本は邪魔に感じることもあります。
しかし、データ化し公開されている古い書物はたくさんありますが、必ずしも世に出回っている作品が残っているわけではありません。
なかには絶版でもう二度と手に取れない本もあるため、捨てる前に「この先読まないかどうか」や「思い出が色濃く残っていないか」を、しっかりと考えて仕分けしましょう。
衣類
ファッションには季節ごと・年ごとに流行があり、トレンド感のない衣類は処分されやすいものの筆頭です。また、年齢を重ね、体型の変化によって着られなくなると「もういらない」と感じることもあります。
しかし、また新しい服を買ったとき、気づくと捨てた服と似たようなデザインを購入していることも少なくありません。それでは、断捨離した意味がなくなってしまいます。
もう着ないかもと思っても、「ワンシーズンは取っておく」ようにしましょう。サイズアウトしてしまったものは、ダイエットのモチベーションアップのアイテムとして残しておくと邪魔に感じません。
整理するときは、「シーズンオフのものは着手しない」ようにしましょう。夏の時期に長袖のものを処分すると、涼しくなってから着られるものがなくなり困ってしまうことがあります。
