新生児が笑うのは楽しいから?

生まれたばかりの赤ちゃんの行動は、主によく眠っているか、お腹がすくなどの不快感から泣いて訴えるという2パターンです。
この頃の赤ちゃんは、耳は聞こえていても視覚はまだはっきりとしていません。にもかかわず、なぜふとしたときに笑顔を見せてくれるのでしょうか。その理由を紐解きます。
反射的に起こる生理的微笑
生まれたばかりの赤ちゃんと触れ合っているときに笑顔が見られると、笑ってくれたと思うでしょう。しかしこれは何かに刺激を受けて起こるのではなく、反射的に起こる「生理的微笑」という現象です。
生理的微笑は意思と関係なく、顔の筋肉のけいれんによって起こるのではないかといわれています。しかしながら、専門家のなかには赤ちゃんがママの腕に抱かれて眠っているときや、授乳後のお腹が満たされた後に見られる確率が高いことから、安心したことを表情で示しているという説を唱える人もいます。
どういったメカニズムで発生するか詳しいことはわかっていませんが、瞬間的にしか見られないとても貴重な現象です。そのため「天使の微笑み」とも呼ばれます。
生後2カ月ごろから笑いに変化が

温かいお腹の中から突然外に出て慣れない環境で過ごしていた赤ちゃんですが、だんだんと視界もクリアになり周囲に目を向けるようになります。視力が出てくることで、赤ちゃんの表情はどのような変化が出てくるのでしょうか。
周囲に反応する社会的微笑
お腹の中から出た生活に慣れ始める生後2カ月くらいになると、生理的微笑が起こる機会が減っていきます。
その代わりに、外からの刺激によって笑う「社会的微笑」が見られるようになるのです。大人は笑顔を引き出すように必死にあやすでしょう。
この時期はまだ自分以外の存在やモノを認識しているだけで、ママやパパだから笑うというわけではないようです。
生まれたてのときよりも目がもっと見えるようになり、本やおもちゃに反応するようになります。楽しいと感じたときにニコっとしてくれることも増えてくるでしょう。
生後6カ月ごろには声も出すように
これまでは口角を上げて笑顔を見せるだけだった赤ちゃんも、日々の成長とともに感情表現が豊かになってくると声を出して笑うようになります。
かわいい笑顔とセットでケラケラと笑い声を出し始める時期は赤ちゃんによって違いますが、生後5〜6カ月ごろから見られるようです。
活動しているときだけでなく、眠っていて楽しい夢を見ているときにも声を出して笑うことがあります。
