基本の掃除方法

フローリング掃除は順番がとても大切です。行った内容が同じでも、順番が違うだけで結果が大違いということもありえます。まずは、基本の掃除手順と方法を押さえておきましょう。
フロアワイパーでホコリを取る
最初に行うのは「ホコリや目立つ汚れを取り除くこと」です。「フロアワイパー」や「モップ」などを使って床全体をから拭きしましょう。
フローリングはホコリが舞い上がりやすく、排気する掃除機を最初から使うのはおすすめできません。また、水拭きはホコリを固めてしまいかねないため、まずはから拭きがベターです。
空気中のホコリは、人がいなくなって空気の流れがなくなる夜のうちに、ゆっくり床の上に落ちてきます。再び舞い上がらないように、フロアワイパーだけでも朝一番にかけておくとよいでしょう。
掃除機をかける
続いて、床全体に「掃除機」をかけます。フロアワイパーで取りきれなかったホコリや汚れを取り除いておきましょう。「フローリングの溝」や、床と壁の接着部分を補強する「巾木(はばき)のふち」などにもたまっています。
すき間に詰まったホコリ汚れは、つまようじなど先のとがったもので優しくかき出してから掃除機で吸い上げましょう。掃除機は「なるべくゆっくりかける」のがポイントです。ホコリを取り逃さないよう、「溝に沿って1mにつき往復で5~6秒かける」くらいを目安にするとよいでしょう。
固く絞った雑巾で拭く
最後に、雑巾で「水拭き」をします。フローリングは水に弱いため、できるだけ固く絞りましょう。水拭きの後はすぐにから拭きをして、すばやく水分を取り除きます。もしくは、「拭く部分ごとに霧吹きをかけながら、から拭きしていく」のもおすすめです。
床の雑巾がけをするときは、「奥から手前」に向かってかけて拭いていきます。掃除した部分を踏んで汚さないようにするためです。しっかりから拭きをかけ、水の跡が残らないようにしましょう。
なお、無垢フローリングの場合、「表面に塗装を施してあるもの」は固く絞った雑巾で水拭きできます。一方で、紙やすりやサンドペーパーで仕上げた後に何も表面に塗っていない「無塗装」の場合は、から拭きのみにとどめましょう。
汚れに合わせた掃除方法

「基本通りに掃除しているのに、なんだか薄汚れて見える」というときは、染みついた汚れが残っているのかもしれません。
「黒ずみ」や「ベタつき」は、適切な方法で掃除すればきれいに取り除けます。掃除方法は汚れのタイプによって異なるため、まずは何が原因の汚れなのかチェックしてみましょう。
油汚れや皮脂汚れ
コンロ周りの床が黒ずんでベタベタしていたら、「飛び跳ねた油」が原因であることがほとんどです。裸足で歩くシンク下の床には、「皮脂汚れ」がつきやすいでしょう。
油汚れや皮脂汚れがある場合は、「水で薄めた台所用の中性洗剤」を使って水拭きします。「水1lにつき洗剤小さじ0.5杯」が希釈の目安です。
濃すぎると粘度が高くなるため注意しましょう。赤ちゃんや幼児がいる家庭では、念のために「水拭き+から拭き」で仕上げると安心かもしれません。
中性洗剤には「界面活性剤」が含まれており、本来混ざらない水と油をなじませる働きをもちます。汚れとして、しっかり付着した油汚れを浮かせるのに有効です。
カビ汚れ
カビは種類によって、酸性汚れかアルカリ性の汚れか異なります。また、いわゆる「カビ取り剤」は「塩素系」など中性洗剤よりも強い洗剤で、素材を傷めてしまう可能性も否定できません。
中性洗剤は、一般的な汚れに広く対応できるように作られています。まだ軽いカビ汚れなら「水で薄めた中性洗剤」で対応可能です。希釈の目安も、油汚れと同じく「水1lに洗剤小さじ0.5杯」で十分でしょう。
頑固なカビ汚れには「無水エタノール」を使います。希釈の目安は、「無水エタノールの濃度を80%にすること」です。200ml作るなら、160mlの無水エタノールに水40mlを加えます。
先に水拭きで静かにこすり、カビをできるだけ取り除いておきましょう。その後エタノール水をスプレーで吹きかけ、から拭きで拭き上げます。
中性洗剤や無水エタノールで取れなければ、カビが奥深くまで根づいているのかもしれません。フローリング交換の必要も出てくるため、プロに相談してみるとよいでしょう。
ゴムの跡
家具の脚に「すべり止め」を使用していると、ゴムの跡がフローリングについてしまうことがあります。こうしたゴムのこびりつきには「ハンドクリーム」や「クレンジング剤」が有効です。
ゴム製品は、「油に溶けやすい」性質をもっています。ハンドクリームやクレンジング剤には油分が含まれているため、ゴム汚れと相性がよいのです。
まずゴム汚れにクリームを塗り、クレンジングするようにクルクルとなじませましょう。十分になじんだら、クリームと一緒にゴム汚れを拭き取って完了です。
この方法で掃除した後は、床がすべり転倒しやすくなります。特に小さな子どもがいる場合は、念入りに油分を拭き取りましょう。
