放任主義の子育てとは

放任主義を「子どもに干渉せずに育てること」などと解釈しているパパ・ママは多いかもしれません。しかし、実際の放任主義は、「ただ子どもに干渉しないこと」を意味するわけではありません。放任主義の子育てとはどのようなものなのか紹介します。
子どもの自主性を尊重すること
放任主義とは、子どもの選択を優先し親が陰からサポートする教育方針です。答えを先回りして教えないことで、子どもが自分の意志で判断したり実行したりする力を養います。
たとえば、お手伝いをするとき、放任主義では親が細かい指示を出しません。「何をどのくらいするか」の決定権をもつのは子どもです。後始末や掃除が必要になったときも、最後まで子どもの責任でやらせます。
ほったらかしとの違いは?

我が子が他人に迷惑を掛ける様子を目にしても、「うちは放任主義だから」と注意をしない親が散見されます。これは、放任主義と「ほったらかし」を間違えているケースかもしれません。
ほったらかしと放任主義では、親の子どもへの係わり方がまったく異なります。両者の違いについて見ていきましょう。
親が子どもに関心を持っていない
ほったらかしとは、子どもが社会で生きていく上で必要なマナーやルール・規範などを親が教えずに放置している状態です。子どもの背後には常に親がいることをきちんと感じさせてあげる必要があります。
たとえば、以下のような子どもの行動を許すのは、放任主義ではなくほったらかしといえるでしょう。
・他人に迷惑をかける行為
・子どもが公共のものを大切にしない行為
・信号を無視して道路へ飛び出すなどの危険な行為
家庭の教育方針にかかわらず、将来子どもが社会になじめるように親は「土台作り」をしてあげる義務があります。
子どもが間違ったことをしても指摘しない・修正してあげないのは、親の義務や子どもの将来を無視した行為といえるでしょう。
放任主義では、社会生活に必要なルールやマナーを教えた上で子どもに決定権を委ねます。決して子どもに「やりたい放題やらせる」わけではありません。
ほったらかしが生む放置子が問題に
近年は、親の無関心が生み出した「放置子」が問題視されています。たとえば、放置子によるトラブルとしてよくあるのが以下のケースです。
・朝から晩まで居座る
・勝手に他人の家の冷蔵庫を開ける
・約束なしで家に来る
・他人の家の物を勝手に持ち帰る
・食べもの・飲みものをねだる
親がきちんとしつけをしたり社会ルールを教えたりしている家庭なら、「約束なしで家に行くこと」「遅くまで居座ること」は「迷惑だから止めなさい」と言うでしょう。あるいは、「他人の家の物を持ち帰ったり、あれこれ要求したりしてはいけない」と教えられています。
しかし、ほったらかしで育っている子どもには、我慢することの大切さや人との適切な係わり方を学ぶ機会がありません。悪いことをしても親は注意しないため、子どもは本能のおもむくまま、社会ルールにそぐわない行動を続けてしまいます。
