
家賃5000円という破格の物件に引っ越してきたのは、母親とその子供と内縁の夫という訳ありの家族。家賃が破格の理由は、このアパートが「出る」と曰く付きの物件だったからだ。今回は、爽 (@ktt0310)さんの創作漫画「幼女と幽霊」を紹介するとともに、制作秘話を伺う。※本作はセンシティブな表現があります。閲覧にご注意ください。
■セリフを最小限に、絵で感情を表現した作品



劣悪な環境で生きる子供とそこに住み着く幽霊との奇妙な関係を描いた本作「幼女と幽霊」。制作のきっかけについて作者の爽さんに訊ねると「本来私はとても怖がりなくせに、ホラー映画を観てしまうタイプです。制作前もホラー映画を観てビビり散らしていて、この恐怖をなんとかしたくて怖くない、感動するホラー漫画を描こう、と思い立ったのがきっかけです」と教えてくれた。
シンプルでありながら読者の心に何か訴えかけてくる作画は、爽さんのこだわりポイントでもあるのだそうで、「隙間時間に気軽に読んでもらえればいいなと思い、とにかく『短くわかりやすく』にこだわりました。見やすい画面作り、セリフも多くなりすぎないように気をつけました」と語る。
格安物件に引っ越してきたとある家族。そこに住み着いている幽霊の“すみは、気に入らない住人が来るたびに霊的現象で脅かし、追い出してきた。新しい住人のなかに小さな子供“りの”がいることがわかると、うるさいから嫌いだと“すみ”はうんざり。しかし、騒々しいのは子供ではなく大人の方で、男は「髪が長い」からと、“りの”の毛をバッサリ切ったり、暴力を振るうなど虐待を繰り返す…。
耐える“りの”の姿に、“すみ”の自身の過去を重ね、男と母親を追い出すことに。奇妙なふたりだけの生活が始まり、待ち受ける感動のラストには読者から多くの感動の声が届けられた。
届けられたコメントについて爽さんは、「とても嬉しかったです。虐待や自殺などのシーンが出てくるので、あまり読んでもらえないかも…と思っていましたが、温かいコメントをたくさん頂けて、とても励みになりました」と話す。気になる人はぜひ読んでみてほしい。
取材提供:爽(@ktt0310)

