定期的な血液検査で白血球の異常を指摘され、慢性骨髄性白血病と診断されたちえさん(仮名)。振り返れば診断の半年前から風邪のような症状やだるさ、食欲不振が続いていたといいます。告知を受けたときは「子どもを産めなくなるのでは」と強い不安に襲われましたが、治療薬の効果もあり、現在は大きな合併症もなく日常生活を送っています。「小さな娘を残して死ねない」という強い想いが、闘病を支える大きな力になったそうです。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年10月取材。
体験者プロフィール:
ちえさん(仮称)
神奈川県横浜市在住の1972年生まれ。1児の母で、診断時は専業主婦だった。2012年10月に「慢性骨髄性白血病」が発覚した。現在は定期的な血液検査を行っており、普通の生活を送ることができている。
記事監修医師:
今村 英利(ネムクリニック下井草院)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。
身体がだるいと思ったら、慢性骨髄性白血病だった
編集部
慢性骨髄性白血病が判明した経緯について教えてください。
ちえさん
私には慢性骨髄性白血病とは別に持病があり、定期的に血液検査を受けていました。すると、ある日お世話になっている主治医の先生から電話があり「白血球の数値に異常が見られるので、すぐに病院に行ってください」と言われ、病院で検査を受けたところ、のちに慢性骨髄性白血病だと分かりました。
編集部
はじめにカラダに起きた異変、初期症状はどのようなものでしたか?
ちえさん
振り返ってみると、慢性骨髄性白血病だと判明する半年くらい前から風邪のような症状やだるさ、食欲がない状態が続いていましたね。まさかそれが白血病の症状だなんて、思いもしませんでした。
編集部
慢性骨髄性白血病が判明したときの心境について教えてください。
ちえさん
「この謎のだるさは病気だったのか」と、納得しました。そして白血病の治療薬を使うと子どもができにくくなると知り、「もう子どもは産めないのかな?」と悲しくなりました。「なんでこんなに辛いことばかり起こるんだろう?」と落ち込みましたね。
編集部
どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?
ちえさん
「まずは白血病の薬であるスプリセルを投与しましょう」と説明を受けました。しかし、私の胸に水が溜まってしまったので、スプリセルは途中で休薬することになりました。薬が効き、この時点でほとんど良くなっていて、それからは定期的に血液検査を受けるだけで、その後は投薬をしていません。
慢性骨髄性白血病を発症してから
編集部
慢性骨髄性白血病発症後、生活にどのような変化がありましたか?
ちえさん
ありがたいことに白血病を発症してからも、生活に大きな変化はありませんでした。風邪などを引かないように、気を付けていることくらいです。薬の副作用や合併症なども、とくにありませんでした。
編集部
症状の改善、悪化を予防するために気をつけていることはありますか?
ちえさん
野菜中心の食事をして、暴飲暴食を避けるようになりました。あとは規則的な生活を送るようにしたり、軽い運動をしたり、健康的な生活を意識にするようにしています。
編集部
治療中の心の支えはなんでしたか?
ちえさん
やはり娘の存在ですね。白血病と判明した当時、娘はまだ4歳でした。「小さいこの子を残して死ねない」という気持ちでした。小さいながらも何か異変を感じていて、一生懸命私の役に立とうとしてくれていました。娘に対して申し訳ない気持ちと「ぜったいに生きなくては」という強い想いを抱きました。
編集部
もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?
ちえさん
「身体がずっとだるいのは普通じゃないから、早く病院に行って」と言いたいです。謎のだるさが、まさか白血病から来ているのだなんて思っていなかったので。
≪↓ 後編へ続く ↓≫
※この記事はメディカルドックにて《【闘病】風邪だと思っていたダルさが「白血病」だった… 『兄姉の死』と自身で分れた明暗》と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

