大雨時の避難方法と注意点! 警戒レベル別の対応

大雨時の避難方法と注意点! 警戒レベル別の対応

豪雨時の避難行動

豪雨時の避難は、状況に応じた装備と安全な行動が重要です。徒歩・車・夜間やペット同行など、それぞれの避難時のポイントを事前に確認しましょう。

徒歩避難の基本装備

徒歩避難の基本装備は以下の通りです。

豪雨時の徒歩避難では、耐久性や防水性、安全性を重視した装備が必要となります。

車避難の可否と注意点

まず、大前提として浸水区域における車避難は原則としてNGです。車は水に非常に弱く、水深10cmでブレーキ性能が低下し始め、30cmでエンジンが停止する危険性があります。

また、冠水した道路では路面状況が見えず、側溝や陥没に気づかずに転落する可能性もあります。

車での避難を行うのであれば、浸水が始まる前、または雨が強まる前が原則です。すでに冠水している場合は、無理に車で移動せず、徒歩や垂直避難を検討しましょう。

また、自宅や職場の駐車場が浸水想定区域にある場合は、気象情報をもとに事前に高台や立体駐車場など安全な場所に車を移動させておきましょう。

夜間・暗所を歩くときの注意点

豪雨時の避難において、夜間・暗所を歩くときの注意点は以下の通りです。

・ 広く明るい道を選ぶ
・ ヘッドライトや懐中電灯で足元や周囲をしっかりと照らす
・ 反射ベストや反射材を着用する
・ 両手が空くようにリュックを使用し、傘ではなくカッパを着用する
・ 2人以上で行動する

夜間や暗所での避難は視界が悪く、転倒や転落の危険性が高まります。これらの注意点を守り、慎重に行動することが命を守るうえで重要です。

また、夜間の避難は視界が悪くリスクが高いため、できるだけ明るいうちに避難を済ませるようにしましょう。

ペット同行避難の注意点

ペットと同行避難する場合は、ペットが逃げ出したり、他の避難者に迷惑をかけたりしないように、必ずケージに入れて移動しましょう。

また、避難所によっては感染症対策のために、予防接種証明書や健康手帳の提示が求められる場合もあるため、これらの書類も持参する必要があります。

避難所ごとにペットの受け入れ体制やルールが異なるため、事前に自治体の防災ページや防災担当部署に確認しておきましょう。

防災バッグの中身を確認!持ち出し品一覧

大雨時に迅速かつ安全に避難できるように、日ごろから防災バッグを用意しておきましょう。

ここでは、いざという時に備えて準備しておきたい防災バッグの中身を紹介します。

特に生活に欠かせない食料や飲料は、1人あたり最低3日分、可能であれば7日分が推奨されます。

自宅退避を選ぶべきケース

外への避難が困難・危険な場合の次善策として、在宅避難や垂直避難が重要です。大雨によって浸水が発生すると、水深50cm程度でも水圧で玄関のドアが開かなくなるなど、外に出られなくなる危険性があります。

そのため、すでに浸水が始まっている場合や、夜間や暴風雨で外出が危険な場合は、無理に外へ避難せず、自宅の2階以上など高い場所に垂直避難しましょう。

また、土砂災害のリスクがある場合は、家の山側から離れ、できるだけ家の中心部や建物の柱・梁が集中している部屋に避難します。

まとめ

大雨災害では、適切な避難行動が自身や家族の命を守る鍵となります。日頃から自宅・職場・学校周辺のリスクをはじめ、避難先や必要な持ち出し品を確認しておくことで、いざという時も落ち着いて行動できます。

また、状況に応じて適切な避難行動をとるためには、気象庁や自治体が発表する避難情報や気象情報を活用することも大切です。日頃からこれらの情報も確認し、いざというときに慌てず行動できるように備えておきましょう。

〈執筆者プロフィル〉
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

配信元: 防災ニッポン