「口元がピクピクする」症状が特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「口元がピクピクする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
顔面けいれん・片側顔面痙攣
顔面けいれんは、顔面神経が機能を担っている顔面の筋肉が、自分の意思と無関係に収縮してしまう病気のことです。目の周りや頬の筋肉がピクピクとけいれんし、しばらく持続します。口元がピクピクするといった症状も現れます。ほとんどは顔の片側に起こるので、片側顔面痙攣と呼ばれています。中年の女性に多く、片側の目の周りから始まり、次第に頬や口の周り、首の筋肉などにも痙攣が及びます。原因としては、顔面神経が血管によって圧迫されることなどが考えられています。ストレスや疲労、会話、飲食などが症状を悪化させる因子として報告されています。顔の特に片側のピクつきがなかなか治らない場合には、脳神経内科や脳神経外科の受診を検討しましょう。
眼瞼けいれん
眼瞼けいれんは、まぶたの筋肉が無意識に収縮し、まばたきやけいれんが無意識に起こってしまう神経疾患のことです。目元のピクピクした痙攣が特徴で、長時間続くこともあります。生活に支障を来し、視力に影響を与えることもあります。リスクとしては、女性であることや高齢であること、家族歴、ストレス、疲労などがあります。
治療法としては、ボツリヌス毒素の注射が第一選択となります。また、顔面けいれんの症状の一つとして現れることもあります。その場合には、目元だけでなく口元にもピクつきが現れることがあります。こうした症状が続く場合には、脳神経内科もしくは脳神経外科を受診するようにしましょう。
自律神経失調症
自律神経失調症は、ストレスや生活習慣の乱れが原因となり、自律神経のバランスが乱れてさまざまな身体的な症状が現れる状態です。主な症状としては、頭痛やめまい、動悸、下痢や便秘、不眠などがあります。また、口元のピクつきや筋肉のけいれんといった症状も、ストレスや疲労が原因で現れることがあるので、自律神経失調症の症状と合わせて現れることがあります。
リラックスや生活習慣の改善が重要です。症状が続く場合には、内科や脳神経内科での診察を受けるようにしましょう。症状を抑えるための対症療法が行われたり、ストレスや心の面へのアプローチが行われたりします。自律神経失調症の治療のためには、定期的に受診をすることが大切です。
ジストニア・ジスキネジア
ジストニアは、持続的に筋肉が収縮する症候群として定義されています。筋肉が意図せず収縮し、体がねじれたり異常な姿勢を取ったりします。症状は、顔や首、手足にも症状が現れることがあります。ジストニアの原因は多数ありますが、最も一般的なものは原発性または特発性ジストニアです。
一方で、ジスキネジアは意図せず現れる不規則な動きが特徴で、主に薬剤の副作用やパーキンソン病で見られます。顔や四肢に突然の動きが現れることが多く、口元のピクつきもみられます。
どちらの症状も脳神経内科での診察が必要になります。治療には、薬物療法が用いられます。適切に診断と治療を受けることで、症状を管理することが可能となります。
「口元がピクピクする」の正しい対処法は?
口元がピクピクする際には、まずはストレスや疲労などが溜まっていないかチェックしてみましょう。リラックスや深呼吸、顔のマッサージなどで筋肉の緊張が和らぐことがあります。カフェインやアルコールの摂取を控えることも有効な場合があります。
一方で、口元がピクピクすることに加えて、顔や手足の麻痺、言葉が出づらいなどの症状が見られる場合には、早急な診察が必要なこともあります。脳神経内科や脳神経外科の受診をお勧めします。

