布施駅を出てすぐの通りで、ちょっと背筋が伸びるような風格のある外観に出会ったら、それが「洋食の店 紀の国屋」。
戦後すぐの創業から70年以上、家族三代で受け継がれてきた洋食屋は、懐かしいのに新しい。
お皿の上にあるのは、流行りではなく、ずっとそこにある暮らしの味。
クリームじゃない、でもなぜかとろける「えびコロッケ」を頬張れば、きっとあなたの中にも何かがふっとほどけるはず。
きっかけは、あの通りの角から
布施駅西南出口を出て、1分ほど。
ふだんの通勤や買い物のルートに、ふっと現れる一軒の店。
タイル貼りの壁に、手書きのような柔らかい書体の看板。
「洋食の店 紀の国屋」と書かれている。
どこか背筋が伸びるのは、創業1947年の風格かもしれない。
けれど、扉を開けると拍子抜けするくらい居心地がいい。
明るくて、モダンで、ほっとする。
一人でも、大丈夫。むしろ一人で来るのが似合う空気。
思いつきから生まれた、ここにしかないひと皿
思わず目を引く、ぽってりと愛嬌のあるフォルム。
エビフライじゃなくて、えびコロッケ。だけど、ちゃんと尻尾はついている。
このメニュー、実は2代目のお母さんが、昔、スタッフ同士で思いついたものなんだそう。
えびのすり身じゃなくて、ちゃんと一尾のえびを、クリーミーなじゃがいもで包む。
そこに、代々継ぎ足してきたトマト系デミグラスソースをかけると、
思わず、ご飯をかきこみたくなるような一体感が生まれる。



