そんな話題の『親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話』の作者であるゆっぺさんに話を聞いた。

本作では、ゆっぺさんの祖母“キヨさん”の幼少期からの実話が描かれている。ある日突然、父を亡くしたキヨは家が貧しかったことから、叔母夫婦の養子となることに。最初はたくさんご飯が食べられる環境を喜んでいたものの、叔母(養母)からの家庭内いじめが徐々にエスカレート。なんとか養母のいじめを耐え抜き、成長したキヨはお見合い結婚をすることに。だが、「いい人そう」と思っていた相手は、実は男尊女卑の激しい人で、結婚後もまたまた困難が!?



――キヨさんの夫・平吉さんは男尊女卑が激しい人だったという描写があります。ゆっぺさんがお聞きになった平吉さんの「男尊女卑」なエピソードの中で、これは結構酷いなと思ったものはありますか?
男尊女卑というのとは少し違うかもしれませんが、キヨが寝る間も惜しんで貯めたお金を、夫が勝手に引き出してすべてお酒に費やしてしまったという話を聞いたときは、本当にひどいと思いました。なかでも一番つらいと感じたのは、無理やり関係を持ち妊娠させておきながら、「堕ろせ」と言った出来事です。これはどうしても許せないと感じます。
――平吉さんはお金に無頓着だったということも作中で描かれています。キヨさんがいろいろな方法でお金を工面したエピソードがありますが、ほかにもキヨさん流の節約術などをご存じでしたら教えていただけないでしょうか。
とにかく無駄を出さないよう心がけ、捨てるものがないように工夫していたそうです。育てたもので、売り物にならない果物(桃やリンゴ)は缶詰工場へ持ち込み、お金に換えていたといいます。また、卵が高く売れると知ってからは鶏も飼い始めたそうです。どうしてもお金に困ったときには農協に頼み、資金を借りることもあったそうです。
――作中のキヨさんの素敵な言葉の数々は、現代の人達にも響くと感じています。ゆっぺさんがキヨさんから聞いた言葉のなかで、一番心に響いた言葉を教えてください。
どんなに自分では正しいことをしたと思っていても、必ず批判する人は出てきます。右に進めば左にいる人から悪く言われ、左に進めば右にいる人から悪く言われる。どうせどちらを選んでも批判されるのなら、自分の心に正直な道を選んだほうがいいと。他人に左右されてはいけない。大切なことは自分自身で決めなければならない、と教えられました。
過酷な人生を歩んできたキヨさんの常に前向きな生き方に、感銘を受ける人は多いはず。まだの人は『親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話』をぜひ読んでみて。
取材協力・画像提供:ゆっぺ(@yuppe2)
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