「めまい」が起きたら何科に行けばいい? 原因や治療法、受診の流れも医師が解説!

「めまい」が起きたら何科に行けばいい? 原因や治療法、受診の流れも医師が解説!

「立ちくらみ」「ふわふわする」「ぐるぐる回る」、めまいと一口に言っても症状は多岐にわたります。また、原因も耳・脳・ストレス・血圧など様々で、受診すべき診療科に迷う人も多いようです。今回は「給田耳鼻咽喉科クリニック」の杉崎先生に、めまいの種類や受診の流れ、治療法について詳しくお話を伺いました。

杉崎 一樹

監修医師:
杉崎 一樹(給田耳鼻咽喉科クリニック)

日本医科大学卒業。その後、日本医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科や海老名総合病院耳鼻咽喉科、埼玉医科大学耳鼻咽喉科・神経耳科などで経験を積み、2015年、東京都世田谷区に「給田耳鼻咽喉科クリニック」を開院。医学博士、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会耳鼻咽喉科専門医・補聴器相談医、日本めまい平衡医学会認定めまい相談医。

めまいの原因

めまいの原因

編集部

まず、めまいについて教えてください。

杉崎先生

一般的に「自分や周囲が動いているように感じる感覚」をめまいと呼びます。ただし、めまいと言っても、ぐるぐる回る、ふらふらする、ふわふわする、立ちくらみのようなものなど、症状の表れ方は人によって異なります。

編集部

めまいの原因には、どのようなものがありますか?

杉崎先生

耳の障害や脳の異常、心因性など、多岐にわたります。さらには、自律神経の乱れによる立ちくらみや、ホルモンバランスの変化に関連しためまいもあります。最も多いのは耳の問題で、特に内耳の平衡感覚に関わる部分のトラブルが多くみられます。

編集部

もう少し詳しく教えてください。

杉崎先生

内耳からくるめまいで最も頻度が高いのは「良性発作性頭位めまい症」です。そのほかにも、聞こえにくさを伴う「メニエール病」や、突然の難聴とともに起こる「突発性難聴」などもあります。これらの疾患が複数組み合わさって発症することもあるため、めまいの原因は非常に多様かつ複雑です。

編集部

良性発作性頭位めまい症とは?

杉崎先生

頭の動きに反応して短時間のめまいが生じ、特に寝起きや寝返り、洗濯物を干す、下を向いて靴ひもを結ぶといった動作の際に症状が表れやすくなるのが特徴です。じっとしていれば症状は一時的におさまりますが、再び頭を動かすとめまいが再発し、これを繰り返すうちに徐々に軽快していく傾向があります。

編集部

良性発作性頭位めまい症はなぜ起こるのですか?

杉崎先生

平衡感覚を司る耳の奥の「三半規管」という部位に、耳石などの粒子が入り込むことが主な原因です。特に、後半規管や外側半規管に入り込むケースが多いと報告されています。診断には、赤外線CCDカメラを用いた眼振検査をおこないます。耳石が三半規管のどこにあるかによっていくつかのタイプに分かれ、リハビリテーションの方法や治りやすさが異なります。

編集部

メニエール病についても教えていただけますか?

杉崎先生

メニエール病は、めまいと難聴を繰り返すのが特徴で、ストレスや睡眠不足、疲労などが引き金となって症状が悪化することもあります。発作を繰り返す場合は、発作を起きづらくする治療をおこないます。

めまいの治療法

めまいの治療法

編集部

めまいに対して、どのような検査や治療がおこなわれるのですか?

杉崎先生

まずは、眼振検査や聴力検査で状態を正確に把握します。聴力検査では、本人が気づかない「かくれ難聴」、特に低音域の難聴が見つかることもあります。耳が詰まった感じなどの自覚があれば、早めに検査を受けてください。

編集部

どのような治療がおこなわれるのですか?

杉崎先生

症状に応じて治療法を選びます。血流を良くする薬やビタミン剤、利尿薬、必要に応じてステロイドや漢方薬なども使用します。ストレスや不眠への対応も併せておこなうと効果的です。気圧の変化で悪化する気象病と呼ばれることもあり、「水毒」に対する漢方が有効なケースもあります。

配信元: Medical DOC

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