めまいは何科を受診する? 受診の判断基準は?
編集部
めまいが起きたら、何科を受診すればいいのでしょうか?
杉崎先生
まずは、お近くの内科や耳鼻咽喉科でみてもらうことをおすすめします。難聴や耳の症状があるときは、内耳の機能を評価できる耳鼻咽喉科が適しています。耳鼻科が扱うのは主に「内耳性めまい(末梢性めまい)」です。ただし、激しい頭痛、手足のしびれ、言葉の出にくさ、飲み込みづらさを伴う場合は対応が異なります。
編集部
どうすればいいのですか?
杉崎先生
このような場合は、脳からくる「中枢性めまい(脳梗塞・脳出血)」の可能性があるので、早急に神経内科・脳神経外科などを受診してください。救急車を呼んでもよいケースと考えます。
編集部
耳鼻咽喉科での、受診から治療までの流れについて教えてください。
杉崎先生
耳鼻科では、問診などでめまいの詳細を伺った後、状態に応じて聴力検査や平衡機能検査、赤外線CCDカメラによる眼振検査などをおこないます。最近は、新しい精密検査「ビデオヘッドインパルス検査(vHIT)」を用いて左右の三半規管の機能を測定することも可能になりました。原因が特定できたら、診断に応じた治療をおこなっていきます。心因性や心臓や脳血管、更年期障害などによるものの場合は、別の科へつなぐこともあります。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
杉崎先生
めまいの症状があるものの、診断がつかずに困っている人が多くいらっしゃいます。何科に受診したらいいのかわからずに、内科→脳外科→耳鼻科と何カ所も受診しているケースも少なくありません。日本めまい平衡医学会には「めまい相談医」という認定制度があり、めまいの専門知識および基本的な診療技術を備えていると学会が認定した医師をWEBで検索できます。お近くのめまい相談医を検索してみるのも選択肢の1つだと思います。
編集部まとめ
めまいは耳や脳、ストレスなど様々な要因で起こりうる症状であり、自己判断が難しいケースも少なくありません。脳血管疾患の可能性がある場合以外は、まずは耳鼻咽喉科を受診して原因を明らかにすることが、適切な治療への第一歩です。気になる症状のある人は我慢せず、早めに相談してみましょう。
参考文献:
日本めまい平衡医学会「めまい相談医一覧」
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「意外と知らない耳鼻咽喉科頭頚部外科:めまいの原因・治療法 そして、めまい治療に関する誤解」

