被告人が盗みに入った住宅では 被害者の妻に悲劇が…
弁護士:今回被害者のかたにどのような被害を与えたと思いますか?
被告人:とても怖い思いをさせてしまったとおもいます
弁護士:それはどのように
被告人:一軒家をせっかく建てたのに、知らない人が入ってくる恐怖があると思います
弁護士:取り調べで、そのほかどういう被害があったか聞きましたか?
被告人:被害者の奥さんのおなかに実は赤ちゃんがいて流産してしまったと聞きました。
弁護士:どう感じましたか?
被告人:自分の妻も流産しているので…………涙…………
現金1万円の被害があった家では、被害者の妊娠中の妻がショックで流産していたという。盗まれた現金の額だけではわからない深刻な被害だ。被害について弁済したいと話す被告人だが、逮捕後会社をクビになり無職。返すあてはないに等しい。
検察官:今回の3つの事件、一番被害額が多くて95万円のお金を盗んだ。そして今年の3月、5月にも。「感覚のマヒ」とは何なんですか?どういうことですか?
被告人:遊びたいという気持ちと、こうやって拘留されないと思っていました
検察官:つかまらないと思っていたということ?
被告人:はい
検察官:それはなぜですか?
被告人:そのときは思っていなかったというか…
検察官:なぜですか?泥棒で捕まる人いっぱいいますよね?
被告人:はい…考えていませんでした。
検察官:犯行がバレないかなとか考えませんでしたか?
被告人:考えませんでした
検察官:1回10万円かかる風俗に使うなんてムチャクチャなことですよね?家族が悲しむとは思いませんでしたか?
被告人:……
検察官:あなたのノート見ると、被害者をみかけてついて行っていますよね?これってなんですか?
被告人:自分と同世代の人が「いい家に住んでいるな」と思って。
検察官:なんでそれが泥棒につながるの?
被告人:そのときは興味本位で家が見たいと思って
検察官:棒するための下見とかしてたんちゃうかって思われそうな行動しちゃって分かりますか?
被告人:はい
検察官:後悔されてることはすごい伝わるんですけど、ただちょっとなんか怖いのがね。あなたの自制心で抑えれる問題かどうかと。もうしないと言い切れますか?
被告人:家族と会えないつらさを知ったので言い切れます。
…………
そのあと裁判官の被告人質問が続き、被告人は数年前にサラ金で借りた金が返せず自己破産していたことが明らかになった。誰からも金を借りれなかった被告人。しかし、使っていた金は風俗代などであり、理由にはならない。
…………
この日、裁判は結審。4か月反省のためのノートを付け続けたという被告だが、法はどのような裁きを下すのだろうか。判決は3週間後にいいわたされる。