急性副鼻腔炎の治療
急性副鼻腔炎が軽症の場合はウイルス感染による場合が多く、その場合、抗菌薬の投与による効果は期待できません。経過観察が妥当で、自然治癒による改善が認められるケースが多いです。
抗菌薬の投与で、薬剤に耐性をもった細菌が生まれる可能性があることを考慮して、細菌性の副鼻腔炎と診断された場合のみ抗菌薬は用いられます。軽症の場合は投薬せずに経過観察を行い、症状が悪化した場合には細菌性のものを疑う場合もあります。
一方、明らかに細菌感染による急性副鼻腔炎の場合は、重症化や合併症の予防のため、早期に抗菌薬による治療が必要になります。具体的な抗菌薬としては、ペニシリン系抗菌薬、セフェム系抗菌薬、マクロライド系抗菌薬などが挙げられます。
アレルギーによる炎症が原因の場合は、抗菌薬の効果が期待できないため、初期に限り抗ヒスタミン薬の投与が行われます。
重症度の高い急性副鼻腔炎の場合は、炎症が起きている副鼻腔の洗浄を行ったり、手術で異常のある粘膜の除去などを行ったりする場合もあります。
細菌感染による急性副鼻腔炎の中でも、真菌感染の場合は抗菌薬などでは対処は困難なため、手術による病原体や病的粘膜の除去を行います。
急性副鼻腔炎になりやすい人・予防の方法
喫煙習慣または喫煙歴のある人、喘息や慢性気管支炎の既往歴のある人、肥満の人、高齢者は急性副鼻腔を発症しやすいことがわかっています。その他遺伝的に鼻の中の繊毛の運動が悪い人では副鼻腔炎が起こることも知られています。
予防方法として、一般的な上気道感染症の予防や、1年に1回のインフルエンザワクチン接種、生活習慣の改善を行うことでリスクを下げられる可能性があります。
関連する病気
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National Library of Medicine急性副鼻腔炎
急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン(2013年追補版)
急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン 2010 年版

