避け続けるりかこに対し、宮田は妻を侮辱してまで口説きにかかってきます。怒りの限界に達したりかこは、セクハラを告発する言葉を放ち、パート先の店を飛び出しました。
徹底して二人きりを避ける日々
あの「不倫の誘い」があってから、私は宮田先輩を徹底的に避けるようになりました。2人きりにならないように、常に他のパートさんと一緒にいるようにします。目も合わせないし、挨拶も最小限。これで諦めてくれるだろう、そう思っていたんです。
でも、彼は違いました。私の態度を「奥手な女性の抵抗」とでも解釈したのか、さらに図々しくなっていったんです。
ついに我慢の限界を迎えた
そして、ついに昨日。休憩時間も終わりかけ、私がエプロンを直していると、宮田さんが私を壁際に追い詰めるように近づいてきました。
「りかこちゃん、ちょっと話聞いてよ」
「話すことはありません。」
「そんな冷たいこと言わないでさ。俺、本気なんだよ」
私の目を見て、宮田さんは衝撃的な言葉を口にしたんです。
「正直俺、りかこちゃんさんのこと好きなんだよ。奥さんよりかわいいしタイプなの。正直さ、俺と旦那どっちがかっこいい?」
(……きっっっっも! )
もう、理性が完全に切れました。「奥さんよりかわいい」とか、そんなこと、妻子持ちの男が言うセリフではありません。私を口説くために、自分の奥さんを下げるなんて最低すぎます。しかも、「俺と旦那どっちがかっこいい?」なんて、答えたくもありません。
私の口から出た言葉は、自分でも驚くほどの怒気を含んでいました。
「何も答えるつもりはありません。宮田さん、これはセクハラです。前の話も含めて、この状況の話、店長も知ってますからね?」
咄嗟に出た「店長も知ってる」は、ウソでした。まだ怖くて店長や周囲には言えていませんでした。でも、これが一番ダメージを与え、動揺させられるだろうと思ったのです。

