「運動後の血圧」はどうなるかご存じですか?運動中の注意点も医師が解説!

「運動後の血圧」はどうなるかご存じですか?運動中の注意点も医師が解説!

運動を長期的に行った場合、血圧は下がる?上がる?

一般的に、長期的な運動は血圧を下げる効果があります。実際に高血圧の治療法として「運動療法」も推奨されています。運動療法の中でも有酸素運動が推奨されており、有酸素運動を行うことで収縮期血圧を平均2〜5mmHg、拡張期血圧を平均1〜4mmHg低下させると報告されています。運動の種類としては、水泳、ウォーキング、ジョギングなどの有酸素運動などを定期的に(できれば毎日30分以上持続)行うことがおすすめです。運動を1回につき少なくとも10分以上持続し、合計して1日40分以上行うことが推奨されています。
運動は血管内皮機能を改善し、血管の柔軟性を高めるため、長期的に高血圧を含めた心血管疾患のリスクを下げます。高血圧そのものの改善効果に加え、肥満の改善やストレスの軽減など、血圧以外の心血管リスクの軽減にもつながります。
一方で、高血圧で運動療法の対象となるのは、Ⅱ度高血圧以下(自宅での収縮期血圧が160mmHg以下かつ/または拡張期血圧が100mmHg以下)かつ脳疾患血管ではない高血圧です。運動前に血圧を測定するようにしましょう。これより高い血圧の場合には、循環器内科を受診して相談をしてからとしましょう。
血圧が高い方は、運動を行う前に心血管疾患の合併がないことと、運動療法を行ってもいいかどうか医師に確認しましょう。

運動後、動悸や頭痛の症状が出たら注意

運動後に、動悸や胸痛などの胸部症状、頭痛、めまいなどのいつもと異なる症状が現れたら注意しましょう。運動直後には、通常運動前の血圧より上昇するため脳血管や心臓への負担がかかっている可能性が考えられます。運動後にこれらの症状に気がついたら、運動を中止し安静にし、それでも症状が治まらない場合には早急に医療機関を受診してください。

運動時の注意点

高血圧の人は、特に激しい運動で急激に血圧が上がることがあります。心臓に負荷がかかりすぎないように、準備・整理運動は十分に行うこと、メディカルチェックを受けて虚血性心疾患・心不全などの心血管合併症がないことを確認しましょう。
その上で、個人の基礎体力・年齢・体重・健康状態などを踏まえて運動量を設定します。
一方、低血圧の人は、運動後の血圧低下でめまいや失神が起こるリスクがあります。無理のない運動を選び、運動中や運動後の体調変化に注意しましょう。

運動後、息切れや胸痛などの症状が出たら循環器内科へ

運動後に胸痛や息切れ、めまい、強い頭痛、動悸などの症状が現れた場合は、循環器内科を受診しましょう。
高血圧の人は、特に激しい運動やトレーニングで急激に血圧が上がることがあります。心臓や血管などの循環器系に強い負担がかかるおそれがありますので、運動前に血圧を測り、異常があれば強度を調整するなどの対策をしてから運動を開始しましょう。

配信元: Medical DOC

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