子育てでつらくなったら医療機関へ
編集部
それでも気持ちが沈んだままの場合は、どうしたらいいでしょうか?
竹田先生
専門家に相談するのがおすすめです。出産後は、助産師さんや看護師さん、産婦人科の先生に相談できますが、1カ月健診まではなかなか受診の機会がありません。自治体の育児相談などもありますが、曜日や時間が限られていたり、予約制だったりすることが多いかもしれません。そんなときは、精神科や心療内科に気軽に相談してみるのもおすすめです。
編集部
受診の目安などはありますか?
竹田先生
目安としては「生活に支障をきたし始めたら」ということになるかと思いますが、生活に支障をきたさないように頑張りすぎてしまうのもよくないので、気分が落ち込んだり、不安になったりといったちょっとした変化でも、できるだけ早く相談していただきたいですね。怒りを抑えきれない、動きたいのに動けないなど、「自分の気持ちがコントロールできないと感じたら」というのも、1つの目安になると思います。
編集部
でも、受診するのも大変そうです。
竹田先生
そういう人にはオンライン診療が便利です。自宅でスマートフォンを使って医師と面談でき、通院の負担や赤ちゃんの預け先の心配もなく受診できます。初めての人も、予約サイトで日時を選び、問診票を入力するだけで簡単に利用でき、医師の判断より必要に応じて薬の処方もオンラインで対応可能です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
竹田先生
母親としての日々は、まるでいくつもの仕事を同時に背負っているようなものなのに、「それが普通」と思い込んで、自分を追い込んでしまう人が少なくありません。本当は頑張りすぎているのに、それに気づけないこともあります。私たちが「それは考えすぎです」とか「もっと頑張って」とたしなめることはありません。もし「つらい」「孤独だ」と感じることがあれば、どうぞ安心して相談してくださいね。
編集部まとめ
ワンオペ育児は本当に大変ですが、決して1人で頑張らなくていいのです。周りのサポートやサービス、必要に応じてオンライン診療なども取り入れながら、無理せず少しずつ前に進みましょう。自分を責めず、「今は心が疲れている」と感じたら専門家に相談することも大切です。そうすることで、少しずつでも育児を続ける力を取り戻せます。

