「毎日起こる頭痛」症状が特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「毎日起こる頭痛」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
片頭痛
片頭痛は、頭痛の原因として比較的頻度の多い病気の一つです。日本における頻度は、成人の約8.4%程度と言われています。頭痛が起こる前に前兆がある場合があり、キラキラした光やギザギザの光が視界に現れる症状がおこることがあります。このような症状を閃輝暗点(せんきあんてん)と言い、視覚的な症状のほかに脱力感や回転性めまいなどの前兆の症状がみられることも少なくありません。片頭痛の痛みは、発作的に出現し、4〜72時間持続します。片側性が多いですが、時に両側性のズキズキと脈打つような拍動性の痛みが起こります。また、発作が起こると、感覚が過敏となり、光や音、臭いなどが不快と感じることも少なくありません。発作時に吐き気や嘔吐を伴うこともあります。このような頭痛が連日のように起こると、生活に支障をきたすこともあります。頭痛がよく起こり、なかなか頭痛薬が効かない場合には脳神経外科や脳神経内科で相談をしてみましょう。頭痛外来と言って専門的な外来を開設している病院もあります。
緊張型頭痛
日本人の慢性頭痛のなかで多い原因の一つです。世界での有病率は38%と言われています。頭痛は圧迫されるような、あるいは締め付けられるような頭痛で両側性であることが多いです。ストレスなどでひきおこされることが多く、後頭部やこめかみ、額の辺りに重苦しさや圧迫感を感じることが特徴的です。長時間同じ姿勢でいたときに締め付けられる痛みを感じたり、首や肩の強いコリを感じることも多いです。
頭痛の頻度が少なく、生活に支障が出ていない場合には問題ありません。しかし、頭痛が頻回に起こったり、痛みが強い場合には頭痛外来を受診しましょう。
治療の前に、肩や首の緊張をほぐすためにマッサージやストレッチ、軽い運動を行うことも効果があります。
薬物乱用頭痛
片頭痛や緊張性頭痛などが原因で鎮痛薬やトリプタン製剤などの頭痛の治療薬を過剰に使用しすぎると、かえって頭痛の頻度が増える様になります。これを薬物の乱用による頭痛と言います。
頭痛が頻繁に起こり、それに対し鎮痛薬を内服、早めに鎮痛薬を内服したり痛みがなくとも鎮痛薬を内服するようになり薬物(鎮痛薬)を乱用してしまうことが原因です。乱用により薬が効きにくくなり、さらに鎮痛薬を内服するといった悪循環が生まれている状態と言えます。薬剤の乱用による頭痛は、まず薬剤をやめることが重要です。乱用をやめることで治る方が多いですが、3割程度で再発することもあると言われています。頭痛が頻繁に起こる場合、また薬剤の使用量が多く、月に10日以上使用する場合には頭痛外来で相談をしてみましょう。
慢性頭痛(慢性連日性頭痛)
頭痛を慢性的に繰り返す場合、頭痛症として診断されます。頭痛症は、脳腫瘍、髄膜炎、脳炎やクモ膜下出血などの脳の病気の症状として起こる二次性頭痛と、他に病気が隠れているのではなく頭痛を繰り返す一時性頭痛に分けられます。
一次性頭痛は、片頭痛、筋緊張性頭痛や三叉神経痛などです。一次性頭痛症は慢性頭痛症とも言われます。
慢性頭痛症の明確な定義はありません。しかし、慢性頭痛症は3か月以上持続して起こるものをいうことが多いです。
慢性頭痛症が疑われた場合には、自己判断をせず頭痛外来で相談をしてみましょう。
群発頭痛
群発頭痛は、眼周囲から前頭部、側頭部にかけての激しい頭痛が一定期間(数週間~数か月)群発することが特徴です。慢性頭痛の中で最も激しい痛みを伴うと言われています。額や顔に汗をかいたり、痛む方の目が充血したり、涙や鼻汁が出たりという症状が頭痛とともに出現することもあります。夜間や睡眠中に頭痛が起こることが特徴です。
群発頭痛は20〜30歳代に多くみられます。
群発頭痛は通常の鎮痛剤では効果がありません。群発頭痛の発作時の治療として、スマトリプタンの皮下注射や酸素吸入が効果的です。群発頭痛を疑ったら、頭痛外来で相談をしましょう。
「毎日起こる頭痛」の正しい対処法は?
市販薬の正しい使用方法はある?
頭痛が起こる場合、軽い症状であれば市販の鎮痛剤を使用しても問題ありません。痛みが激痛であったり、痛みが徐々に悪化する場合、また鎮痛剤の頻度が月に10回以上と多くなった場合、鎮痛剤が効かなくなってきた場合には早めに脳神経外科や脳神経内科、頭痛外来などを受診して相談をしましょう。
予防できる・改善できる生活習慣とは?
頭痛はストレス、睡眠不足、脱水、食事や首・肩回りのコリなどの影響で起こることが多いです。このため、頭痛を予防するためには以下のようなことに気を付けて生活習慣を改善することが大切です。
・適切な睡眠時間の確保(睡眠不足も過眠も頭痛が起こりやすいです。)
・こまめな水分補給
・カフェインの過剰摂取を控える
・アルコールは控える
・適度な運動を行う、特に首や肩回りの運動やストレッチをして肩こりを解消
・PC、スマホ作業は1時間ごとに休憩をとる
・深呼吸や軽いストレッチでリラックスを
・頭痛ダイアリーで頭痛の起こるパターンを把握して、発症のパターンを把握する。
これらのことに気を付けてなるべく頭痛を発症させないような生活パターンを送りましょう。また、頭痛が起こった時に片頭痛は頭を冷やす方が改善しやすく、筋緊張性頭痛は首や肩回りを温めると改善しやすいです。

