不飽和脂肪酸の食品とは?メディカルドック監修医が一日の摂取量・効果・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

監修管理栄養士:
山口 恵里(管理栄養士)
病院や高齢者施設で5年、給食管理、栄養管理業務に従事しました。その後、管理栄養士の資格を取得し、現在は育児をしながらフリーランスとして地域の方の家事・育児サポートをさせていただいています。日々の生活を楽しんでいただけるよう、心を込めてサポートしています。
「不飽和脂肪酸」とは?

脂肪酸は、構造により飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。不飽和脂肪酸は分子内に二重結合を持ち、二重結合の数により一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類されます。
一価不飽和脂肪酸には、二重結合が1つだけあり、代表的なものはオレイン酸で植物油に多く含まれます。多価不飽和脂肪酸は二重結合を2つ以上持ち、魚や植物油に多く含まれます。二重結合の位置によりn-3系とn-6系に分けられ、EPAやDHA、α-リノレン酸、リノール酸、アラキドン酸などがあります。
リノール酸やα-リノレン酸は体内で合成できないため、食事から摂取する必要があり、「必須脂肪酸」と呼ばれます。
また、不飽和脂肪酸には構造の違いにより「シス型」と「トランス型」があります。自然な形で存在するのはシス型で、体によい脂質の多くがこれにあたります。一方、トランス型は油を加工する過程で人工的に生じ、マーガリンやショートニング、加工食品などに含まれます。牛や羊などの乳製品にも微量含まれます。
トランス脂肪酸は摂りすぎると、悪玉コレステロール(LDL)を増やし、善玉コレステロール(HDL)を減らすため、動脈硬化や心疾患のリスクを高めるとされています。健康維持のためには、摂取量をできるだけ控えることが望ましいとされています。
不飽和脂肪酸の一日の摂取量

日本人の食事摂取基準(2025)より
n-6系及びn-3系脂肪酸の目安量は1日当たりの摂取量で示されています。
※目安量とは一定の栄養状態を維持するのに十分な摂取量
男性n-6系脂肪酸(g/日)18~74歳10g~12g
75歳以上9g
n-3系脂肪酸(g/日)18~49歳2.2g
50歳以上2.3g
女性n-6系脂肪酸(g/日)18~74歳9g
75歳以上8g
妊婦、授乳婦9g
n-3系脂肪酸(g/日)18~74歳1.6g~2.0g
75歳以上1.8g
妊婦、授乳婦1.7g

